11話 機械仕掛けの大統領(プレジデント)
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探知機の囲いを通る前にベルトを外すように言われる。それを彼女は知っていて、ベルトに弾薬と銃の金属部分になり得るものを引っ掛けていたのだ。
そしてガトリングのパーツは3人で分けて別々の客を装いカモフラージュしたのだ。
ワゴン車を盾にアーシャは狙撃兵との銃撃戦をしていた。
彼女の撃つ銃弾は的確に狙撃兵の眉間を貫く。
「後何人ですか?」
ミカエルは銃を握り、ワゴン車に背中をつけながらアーシャに問う。
「見えるだけ2人です。それ以外はわかりません」
「2人倒し終わったら突っ込みますよ。もし敵が居たら運が悪かったってことで」
ミカエルは撃って隠れ、撃って隠れを2回行う。
「倒しました!」
「突撃!」
アーシャの達成感でいっぱいの声が響き、ミカエルの駆り立てるような大声が反響する。
そして彼女たちは建物の内部に入り、ミカエルとアーシャがペアを組み、メリラがソロで2手にわかれた。
ミカエル組は地下に、メリラは奥の部屋に向かう。
「なあ。God Program」
『どうした?』
「奴隷制度はお前が創ったのか?」
僕は静かに怒鳴るように聞く。
『そうだ』
「理由は?」
『人類は在る一定期に進化をやめた。原因は増えすぎた人口と間引きのため戦争をやっていたことだ』
「人口が増えるのはわかるが、間引きで戦争って言うのは考え過ぎじゃないか?」
『そうだな。戦争は以前からあった。理由は何だと思う?』
機械の声は段々人間らしく成った。
「そうだな。劣等感と価値観の違いが関係の亀裂を生むんだろ?」
『正解だ。知識には抜かり無いな』
「これからお前が言うことが手に取るようにわかる。『奴隷という誰から見ても下の存在を置くことによって価値観を保ち、劣等感を排除出来る』ってことだろ?」
僕はその部屋のスピーカーを睨んだ。カメラがどこにあって、僕をどこで認識しているのかわからないから。取り敢えずな。
「でもそれだと、奴隷に対する扱いでもまた価値観の違いが出るだろ?」
『それをうまく調和するのが大統領の仕事だ』
「お前。大統領を天秤か何かとでも思っているのか?」
『その通り。大統領は力を調節するだけの道具にすぎない』
「僕とは全く価値観が合わない」
『面白いことを言うな。カリヒ』
僕の皮肉に機械は人間のように反応する。
「なんだよそれ。人間ぶるなよ」
『はっはっは』
その高笑いは情が含まれていて、気分が悪い。僕はそいつに嫌悪を見せる。どうやら僕も“同族嫌悪”が激しいタイプの人間らしい。
「で、まあ本題だけど、僕とクロノスをこの部屋に呼ぶつもりだったのか?」
『そうだな。どちらか1人という選択だがな』
だからさっきクロノスを殺したのか。間近に見たわけじゃないから死んだという事実し
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