11話 機械仕掛けの大統領(プレジデント)
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、ゴッドブログラムが何なのか知らないけど、リーナ。案内頼むよ」
といって僕は彼女に、左右の指示を聞いて走る。
さっきのサイボーグがガトリングの銃口を僕に向けてくるのが目視出来る。僕はスライディングをして機械の股をくぐり背中に回りこむ。かなりスピードが出ていたので、勢いにまかせて体を回転させて足払いをする。サイボーグはバランスを崩し、うつ伏せ担って倒れる。僕は力まかせで、全体重とパワードスーツの運動を利用し、殴りつける。サイボーグの背面ど真ん中を叩きつけて貫通させた。
僕の生身の拳の皮は剥け、少量の血を垂らした。
クロノスは銃傷を庇いながら這って黒スーツの男に接近した。下からの動きに判断が遅れ、黒スーツは剃るように倒れた。クロノスは片足で立ち上がり脱力し、全体重を被せた拳で男の鼻をへし折り、地面に後頭部に叩きつけた。
ハンドガンを奪い取り、シャルラッハートに向ける。
「俺はお前の考えを理解できない。だからお前の味方を出来ない。残念だが」
彼の銃を握る右手の皮は剥けて、血を流していた。
そして引き金を引くクロノス。だが、その手は宙を舞い、真っ赤な飛沫が彼の顔に振りかかる。
クロノスは大声を上げ腕を抑えて転がる。
激痛が彼を襲った。彼が見上げる先にはチェンソーのような回転鋸を右腕に、M16の銃口をそのまま取り付けたような機銃を左腕に装備したHWが居た。
「全く。最後まで俺はついてないな」
腹の中で無数に跳ね返る鉛の弾はクロノスに後悔の詰まった血反吐を吐かせた。
クロノスの顔を持ち上げるマシロは告げる。
『やっと逝けるね。私達の世界に』
僕は拳の血を着ている服の袖口に拭った。
「あ。クロノスが逝った」
『ええ。マシロさんが連れて行きました』
僕とリーナは彼の死を看取った。
『どうしてカリヒさんはわかったんですか?』
「なんか。感応現象的な?」
僕はパワードスーツの補助を受けながら速度を上げて駆ける。
右だの左だの散々言われ、下り階段を見つけることが出来た。
『あ、時間切れで…』
リーナの声はノイズのように消えた。
「え?ちょっと待って?リーナ?」
もう少し話がしたかった。僕は不安になりながら階段を下る。
「ここでいいのか?」
『ええ。構いませんよ?』
リーナの声ではない。誰だ?
「えっと?マシロか?」
取り敢えず思い当たった死人の名前を出してみた。
『当たりです。よくわかりましたね。カリヒさん』
「適当に人の名前を言っただけだよ。推理なんざしてないさ」
『初めまして』
「よろしく。で、君は敵か?味方か?」
『どっちだと思います?』
「どっちでもいい」
言葉を吐き捨て一本道を走る。
機械音の声が聴こえる。この距離ではなんと言っているの
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