暁 〜小説投稿サイト〜
殺戮を欲する少年の悲痛を謳う。
11話 機械仕掛けの大統領(プレジデント)
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ける。すると奥の扉から1人でシャルラッハートが歩いてきた。まるで何かを企んで居るような。それとも真っ向からクロノスに挑むつもりなのか…
「やあ。クロノス」
「俺はさあ。お前の考えがわからないよ。なんで奴隷制度を再臨させたのかとか、この人体実験のような場所だとかさ」
「ここのカプセルの中にいる子供たちは、私の我儘で無理やり閉じ込めているのは認めるが。奴隷制度を考案したのは私じゃないとでも言っておこうか?」
 シャルラッハートは不吉な笑みを浮かべてクロノスを見る。お互いに丸腰で、圧倒的にクロノスのほうが有利な立ち位置にいるのだが、シャルラッハートはそれでも笑う。
 その笑顔の中には少しの情が溢れでた。
「じゃあ、まあ。俺は考えることは苦手だから率直に聞く。ここのカプセルの中にいる子供たちに何をするつもりだ?」
「機械の体を与えるんだ」
「どうやって?」
「脳を刻んでスキャンしてデータ化だ」
 クロノスは聞くんじゃなかったと後悔した。
「私は、大統領になる前は教師をしていたんだ」
「へえ。先生か」
「今から30年くらい前になるかな?」
 シャルラッハートはジメジメした話を持ちかける。
「教師をやめた理由ははIS、Islamic State だ。当時ISは宗教にカッコつけて大量に人を殺していたんだ。私はある日、小さな州の学校に転属されてね。簡単にいうと、ISに生徒が誘拐されたんだ」
「そんな話はどうでもいい。誰が奴隷制度を作ったんだ?」
 クロノスは煮えくりかえるほどに怒りを持っていたが、落ち着きを保ち、シャルラッハートの言葉を遮り問た。
「God Program だ」
 シャルラッハートは悲しげな目で言葉をつぶやき、1つのカプセルに掌を押し当てて、口を動かす。
「No.389。中にいる少女はシャーロット・ガルシア。これは私の教え子だ」
 と言った。その言葉にクロノスの我慢がぷつりと切れ、シャルラッハートに飛びかかるが、足に激痛が走り、敵の足元に滑りながら素通りした。
「なんだ?」
 クロノスが振り返ると、サプレッサーのついたハンドガンを持った黒スーツの男が彼を撃っていた。
「まて、未だ殺さないでくれ。彼には話が残っているんだ」
 シャルラッハートは黒スーツの男に命じた。


 僕が手にしたのは小型パワードスーツの試作品だった。これは手足の関節部分につけることにより、僕の体の補助をしてくれる。使い方によっては、格闘技を利用して攻撃力を圧倒的に上げる事ができる。
「リーナ。シャルラッハートの場所を教えてくれ」
『すみません。わかりません。私はカリヒさんの手助けをしろと言われただけで』
「そっか。じゃあ教えてほしい。僕はどこに行って何をすればいい?」
『God Program と接触してください』
「その
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