暁 〜小説投稿サイト〜
殺戮を欲する少年の悲痛を謳う。
11話 機械仕掛けの大統領(プレジデント)
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と普通通れないよな」
 クロノスは扉を思いっきり蹴った。しかし、一発じゃ反応が薄い。そのため何度も何度も体重を入れてやっと蹴破った。
「疲れた。少し休むか?」
 休息を求めたクロノスは残念ながら扉の向こうからサイボーグの姿を確認し、すぐに戦闘態勢に入る。
「何だこの形。初めて見るな」
 彼が出会ったサイボーグはカリヒが戦っているタイプと同じだ。
 いや。これはサイボーグではない。
 以前カリヒがSRAの第三部隊で交戦したサイボーグのデータを元に作られたAI兵器だ。すべての機体がネットワークに繋がれている。つまり、命令さえすれば一箇所に集まってしまうのだ。
 クロノスは重要機密が詰まった部屋の扉を蹴って壊したため彼の位置にホワイトハウス中のhumanoid weapons 通称HWがクロノスを追跡している。
 クロノスはM16を向ける。
 HWは右手のガトリングを向ける。
 クロノスのほうが早かった。彼の7発の銃弾は6本の筒を的確に塞ぎガトリングを破壊した。しかし、すぐにHWは関節部分からガトリングをパージして爆発を阻止した。それから左手を突き出すHW。クロノスは同じようにもう一つの手を塞ぐ。
 パージして、HWはクロノスに突撃する。クロノスはそれを回避し、すぐさま体を旋回させて、HWの背部に弾丸をばら撒いた。
「やはり。効かないか」
 そしてすぐにクロノスは敵の後方に取り付いて、左手を首に回した。そして左足をHWから見て5時の方向に大きく踏み出し腰を遅れて投球のように上半身を屈めて腕を振り下ろす。
 地面にHWを叩きつけ金属の装甲を重みで破壊した。
 

 やたらとでかいサイボーグと交戦中だ。敵は動きが鈍いので、僕は鉛弾に当たらないように逃げまわり、大きく隙を見せたところで殴る蹴るなどしてダメージを着々と与えていく戦法を行っていた。しかも、豆鉄砲はもうすでに残っていないし、頼りになる肉体もそろそろ披露で音を上げていた。
「疲れたなぁ。これじゃシャルラッハートと対面しても殺せる自信ないや」
 弱気になりながら長々と入り組んでいる廊下を駆け巡っていた。
『カリヒさん!』
 リーナの声が僕の耳に入る。
「ああ。恐怖がついに僕ではなく、リーナに成って具現化したか。いや、この場合具現化って言わないな」
 口に出しながらゆったりと速度を落とし走る。
『次の通路を右に曲がってください』
 指示出しを始めたぞ?僕は軽く膨らみをつけて右にカーブした。
「リーナ。君は本当にリーナなのか?」
 僕は感情を込めずに応える。まあ、当然だろう。疑いにかかっているのだから。
『カリヒさんはどう思いますか?』
「そうだね。僕は正直疑っているよ」
『そうですよね。いきなり出てきたって、ってあそこも右です』
 リーナは話を中断し、
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