第51話 アンダー・アルカディア
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全てのミッションを終えたルインはメンテナンスルームに入ると、ほとんど万全の状態となったハルピュイアが起き上がり、自身の武器を収めていた。
「もう動けるんだ。流石だねハルピュイア。」
「ええ…もうこれ以上、寝ているわけにはいきませんので。人間を…バイルから守ってやらなければなりません。これはエックス様からの命令でもあります」
「ハルピュイア…」
あの時と比べて格段に強い意志を感じられるので、今のハルピュイアならきっと大丈夫だろう。
すると、ハルピュイアの様子を同じく見に来たのであろうセルヴォがメンテナンスルームにやってきた。
「行くのだね?」
「ああ、世話になったな。悪いが今すぐ出る、早くバイルを止めなければ……あいつは…」
「ハルピュイア…無茶だけはしないで…お願い」
「ルイン、俺は人間を守るために生まれた戦士…。エックス様の部下にして、誇り高きネオ・アルカディアの戦士です。例えこの体が朽ち果てようとも……人間のためなら喜んで戦います。例え、あなたでもこればかりは譲れません…これが俺の信念ですから」
「そっか…」
少し悲しげに笑うルインに頭を下げると、ハルピュイアはメンテナンスルームを後にしようとした時であった。
ハルピュイアのお見舞いに来たのであろうアルエットがメンテナンスルームに入ってきた。
「ハルピュイア、行っちゃうの?」
「ああ」
「また会えるよね?」
「……ああ」
アルエットにそう返すと、今度こそメンテナンスルームを後にして、ハルピュイアは外へ飛び立っていった。
「良かったのかい?」
「いいの、私達には私達の。ハルピュイアにはハルピュイアの戦いがある。でも願いは同じはず、今はこれでいいの」
「そうか…」
『ルインさん、ルインさん…。至急、司令室までお越し下さい…』
「あ、もう解析終わっちゃった?」
思っていたよりも早く終わったことにルインは目を見開く。
「息つく暇もないな…ルイン……」
「大丈夫、行ってくるよ」
メンテナンスルームを後にし、ダッシュで移動してルインは司令室に向かう。
「セルヴォさん、ゼロもルインお姉ちゃんもハルピュイアも…みんな大丈夫だよね?」
「ああ、勿論だとも……ゼロ……ルイン……ハルピュイア……みんな…死ぬんじゃないぞ……」
人間とレプリロイドの希望となりつつある三人の身を案じるセルヴォの呟きはメンテナンスルームに響いた。
司令室に入ると、シエルがルインに歩み寄る。
「どうだった?ハルピュイアは?」
「ハルピュイアは、メンテナンスルームを出て、外に出ちゃった。人間達を守るために戦うんだって」
「そんな…まだ完全に治っていないのに。無
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