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龍が如く‐未来想う者たち‐
秋山 駿
第二章 交わる想い
第六話 罠
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「桐生さんの足取りを追ってみました。半年前神室町から姿を消し、桐生さんは澤村さんと田宮さんと共に大阪にいたそうです」
「遥ちゃん、間違いない?大阪には一緒にいたのか?」


遥は小さく頷いた。
半年前の事を必死に思い返して、少しでも協力しようとしている。
だがその眼差しは、とてもツラそうだった。


「そして数週間前、喜瀬が大阪にまで手を拡げたのをキッカケに大阪から神室町へ移動した」
「その時、助けてくれた男の人がいたんです」
「ん?それは初耳だな……。遥、その男の名前はわかるか?」


目を泳がせ、記憶を探る。
思い出すのに、時間はかからなかった。


「井上慶介……という新聞記者の男、でした」
「井上!?」


その名前に反応したのは、意外にも伊達だった。
知っているのかと問うと、またしても意外な答えが返ってくる。


「俺の新聞記者時代の部下だ。ったく、何やってんだ……」
「でも途中で誰かに襲われて……気が付いたら私だけ病院にいたんです」
「丁度その時神室町近くで交通事故があったんですが、加害者も被害者も見つからなかったんです。恐らく澤村さんが巻き込まれたのは、その事故でしょう」


さらに手帳のページをめくるが、須藤は首を横に振る。


「すみません、こちらで掴んでいるのはこの辺りまでです」
「俺と須藤は早速、その井上慶介を捜してみる。秋山達は、神室町で情報を集めてくれないか?」
「わかりました、お気をつけて」


そう言って秋山はタクシーを呼び止め、伊達に見送られながらこの場を去る。

はずだった。


「残念ですが、定員オーバーですわ」
「何……!?」


突然運転手の男がニヤリと笑ったかと思うと、タクシーの周りに3人の男が取り囲む。
伊達と須藤は異変に気付き走るが、その前に遥をタクシーに残したまま秋山と狭山が引きずり降ろされた。
抵抗も虚しく遥を乗せたタクシーは、謎の男達と共に走り去ってしまう。


「くそっ、アイツら喜瀬組か!」
「まずいわね、遥ちゃんがタクシーに乗ったままだわ」
「おい須藤、応援呼ぶぞ!」
「そうはさせませんよ」


焦る秋山達を、再び数人の男達が囲む。
胸元にはやはり、喜瀬組の代紋がつけられていた。


「あのお嬢ちゃんは、喜瀬組にどーしても必要な物。だから返してもらいますよ」
「遥ちゃんは、アンタたちに使われるような道具じゃない……人間だっ!!」
「その威勢、いつまでもつかな。お前ら、()ったれや!!」


秋山は腹をくくり、男達に向かって走っていく。
狭山もそれに続き、秋山に加勢した。


「須藤、今のうちに応援を呼べ!!」
「伊達さんは!?」
「俺は秋山達に加勢する
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