第三百四話
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第三百四話 賢者の石は
亜美はセレニティとアルテミスに幾ら何でもそれはないといった顔でいった。
「幾ら何でもな」
「そうですね、流石にです」
「あそこまでは無理です」
「確かにご主人の錬金術はお見事ですが」
「お言葉ですがまだ小学生ですから」
年齢的に幼くその分腕も未熟であることは事実だからというのだ。二匹にしても僭越ながらといった口調で話す。
「高レベルなものを求めらても」
「あれ程の段階はです」
「やはり普通に高度のです」
「そうしたレベルのものをされましょう」
「そやな、ほなどんなのがええやろ」
腕を組んで言う亜美だった。
「具体的には」
「何かを造るのが錬金術ですが」
「賢者の石なり」
「そこから考えて」
「どうするかですね」
「そやな、ほな」
首を傾げさせつつだ、亜美は言った。
「塩がええやろか」
「塩ですか」
「それを造られますか」
「そうしよか、塩は役に立つわ」
何といってもという口調での言葉だった。
「お料理でも魔法でもな」
「確かに、塩を造る技術はです」
「小学生の錬金術ではかなり高度」
「それではですね」
「それに挑戦されますか」
「そうしよか、塩造ろか」
こう言うのだった、そしてだった。
亜美はこの日は火薬を造った、その完成を見てからあらためて言った。
「明日から塩や」
「それを造ることにですね」
「挑戦されますか」
「そうしよか」
こう言ってだ、火薬は安全な場所に収めてだった。そうして言うのだった。
「うち的にはお砂糖の方がええけどな」
「甘いからですね」
「だからですね」
「西瓜にもかけられるわ」
西瓜に塩をかけて甘くするのだ。
「それに挑戦するって先生に言ってみるわ」
「ではその様に」
「していきましょう」
「清めの塩、赤穂の塩やな」
亜美は最後にこうしたことを言った、そして。この日はこの言葉で終わった。
「寝よか」
「では」
「そうしましょう」
とりあえず方針が決まってだった、この日は気持ちよく寝た亜美だった。
第三百四話 完
2016・1・2
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