第一話
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た。少々機械っぽいデザインをしておりコンクリートのような色をしています。
その神機の柄を片手で軽々と持ち上げ空いたスペースで二・三度空振りして満足げに頷いてみせました。
「いいね。違和感ないよ。さすがリッカだ」
「えへへ〜。もっと褒めてくれていいんだよ?」
「じゃあ、他に発注しておいた神機も仕上げてくれたらご褒美あげようか」
「本当!? やった! 約束だよ? 絶対だよ!」
「あー、神機の構造とかの講義は勘弁な」
「も、もうしないよ! ちょっと残念だけど……」
プラカードに絵文字を書いていたとは思えないほど美青年のユウト教官ですが、こうしてリッカさんと話している姿を見ると本当にどうしてキグルミを着ていたのか不思議です。
私がそんな二人を眺めているとリッカさんがコホンと小さく咳払いをして私の目の前に置かれている大きな神機に手を置きました。
「そんなわけでこれがサナちゃんの神機ね。ユウト君と同じ〈バスターソード〉っていうカテゴリの近接神機だよ。んで今の状態が〈剣状態〉なんだけど、ちょっと持ってみて」
「は、はい! ……うわっ、重い、ですね」
「〈バスターソード〉はご覧の通り一撃の威力を高めた代わりに重いし取り回しが難しい種類なんだ。まあサナちゃんに限ってはそれだけじゃなくて〈銃形態〉もあるからなんだけど」
取ってを見ると小さな銃身にようなものが付いています。形態ということは剣と銃の二通りで戦うことができるのでしょうか? って、そういえばそんな説明を受けた気がします。
「よっと……」
〈銃形態〉に変わって、と念じると神機が独りでに動きだし、擦過音と微量の火花を散らして瞬く間に銃に姿を変えました。ちょっと感動しますね。
銃に変わった神機を上から隅々に見ているとリッカさんがぽかんと口を開けていました。
「あ、あれ、サナちゃん今どうやって神機変形させた?」
「? 銃に変わってって思ったら変わりましたけど……?」
するとリッカさんの顔がみるみる険しくなっていき、しまいにうむむと唸りながら腕を組んで神機をにらみ始めました。な、何かいけないことでもしちゃったのでしょうか……。
「リッカ、悪い癖が出てるぞ」
そんなリッカさんの頭にユウト教官がぽんと手を乗せると、それでスイッチが切り替わったように先ほどの朗らかな表情が戻りました。それから照れくさそうに頭の後ろに手を回して舌をちょっぴり覗かせます。
「ごめんごめん、職業柄考え込んじゃうことがあるんだ。実は神機変形は柄にあるスイッチでできるようにしてたんだけど、念じるだけで操作できるのは初めて知ったよ。どうしてだろ」
「榊から聞いたけどサナは適合率が俺よりも高いらしい。つまり神機とのシンク
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