第一話
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んな持ちにくい状態なのにペンが霞むくらい速いし字もすごい綺麗だし……。とりあえず只者じゃないのは解りました。それ以外は全く解らないですけど。
「二人とも、さっさと自己紹介をしろ」
「了解しました姉──じゃねぇや、司令官殿。新入りが配属されたのが俺の部隊で、形式上お前の上官に当たる。んが、まあ面倒くさい話は省略する。とりあえず、とっとと背中預けられるぐらいに育ってくれ。いいな?」
「はい! よろしくお願いします!」
今みたいな、言っては悪いですけど、雑な自己紹介でも良いんですか……? と司令官の顔を窺うとやはり眉間に指を添えて浅いため息をついていました。注意しないところを見るといつもこういう感じなのでしょうか。なんだか飄々として捉えどころの無い隊長さんです。
そして一番詳しく自己紹介してほしいキグルミさんは──
『君の教官です。他は右に同じく^^』
──ってお前もかーい!! これに至ってはツバキ司令官も呆れを通り越して苦笑すらしてます。
隊長さんと教官さんで別に紹介されたということは、これからしばらくこのよく解らないキグルミ教官に色々教えてもらうんですよね!? ミッション受ける前からすっごい心配なんですけど大丈夫なんですか!?
「こういうふざけた奴らだが、腕は確かだ。腐っても隊長と教官、そこのところは心配する必要はない」
私の心中を察してか物を言う前にフォローされてしまった。私の中ですっかりツバキ司令官のイメージが〈鬼教官〉から〈頼れる常識人〉になってしまいました。こんなおかしくて大丈夫なのでしょうか極東は……。
おかげで緊張が解れたところでツバキ司令官が咳払いをして空気を締める。
「話は聞いていると思うが、お前は少々特別な神機使いだ。そのため部隊編成も少し特別なものになっている。まず前提として、優先的にキグルミの部隊に所属してもらう。次にキグルミが特殊な事情で席を外した場合、スライドでリンドウの部隊即ち第一部隊に所属することになる」
「ということはキグルミ教官の部隊と第一部隊に掛け持ちで所属するということでしょうか」
「その通りだ。このような事例は初めてでな、色々不備が出ると思うが、そのつどこちらから連絡する。随時確認するように」
「了解しました!」
「私からは以上だ。後はキグルミが担当する。これからはキグルミの指示に従うように」
リンドウお前は顔を貸せ、と隊長の襟を掴んで司令官はエントランスを後にしました。毎回指示が端的で解りやすくて助かります。〈鬼教官〉という渾名はその厳しさだけじゃなく、正確さなども含まれているのかもしれませんね。
さて、私としては常識人がいなくなってしまい、無口なファンシーラビッ
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