第一話
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こんにちは! 本日から神機使いとして生きることになった高崎サナです! 〈新型〉というすごく珍しい機種? のようで期待をいっぱい背負っています。頑張ります!
右腕に取り付けられた赤い腕輪の重みに慣れません。寝るときガツガツ頭に当たってちょっと寝不足だったりします。服に腕を通すのも一苦労で、それを配慮したフェンリルの制服を着ています。これから極東支部、通称アナグラで生活していくのも相まって、色々身の回りが一変したので少しソワソワしています。
そんな私は人の行き来が盛んなお昼のエントランスにて待機しています。配属された初日ですが覚えないといけないことが沢山あるとのことで、お昼までにアナグラの施設を一通り把握し完了次第エントランスに集合と命令を受けたからです。
人類最後の砦と言われるだけあってアーコロジー住宅区より圧倒的に技術が進んでいるっぽい雰囲気があちこちから漂います。エントランスのあちこちに並んでいるターミナルと呼ばれている情報や物品の管理を担う機械なんてアーコロジーにいた頃じゃ信じられませんでしたからね。一等地や二等地なんかだと話は別ですが、私は庶民出身なので最新技術には縁の無いことでした。
『おい、あそこに立ってる子。初めて見る顔じゃねぇか?』
『律儀に制服も着てるし新人なんだろ』
『あー、そういやアナグラ歩き回ってる制服着た可愛い女の子がいたって聞いたわ』
『ということはあの新人、噂の〈新型〉の子か』
『うっそマジで!? 若いって聞いてたけど若すぎでしょ! 俺も若返りてぇなぁ』
『まだ20代前半だろ。それよりもさっさと行くぞ』
なんだか視線を寄せてる気がします……。施設を歩いていて思っていたんですが、フェンリルって制服を用意してるわりに強制しないんですね。むしろ私服を推奨してる節すら見受けられるんですが……。階級なども存在しているので規律は厳しいものとばかり思っていたのですが、結構個人の自由が許されてる環境らしいです。
そうと知っていれば私も制服は着なかったのに……。まあ、腕輪のおかげで持ってきた服のほとんどは袖が通らないので新しい服買わないとですね。お給金は月給という形式で私室のターミナルに振り込まれるのですが、アラガミに食い荒らされているこのご時勢ですから依頼が後を絶ちません。アナグラに舞い込んできた依頼を受注して達成すれば、設定された報酬金が帰還後にすぐ送られるそうです。その報酬金がすさまじくて、一番簡単な難易度1の依頼でも並の生活ならば少なくとも三日は暮らせるほどです。命を代償にしてる生業ですから当然と言えば当然かもしれませんね。そういう仕事柄志願者は年々少ないそうですし、神機使いを大切にしたいという考えでしょう。
入隊する前はガチガチの規律に縛られた軍
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