28話 グレミーの岐路 2.23
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れながらブリッジに入って来た。
「・・・ブリッジでの話はイヤホンでずーっと聞いていたよ。交渉事ならば、僕が最適だろう」
「イーノ!余り動くと体に悪いって医者に言われたろ」
エルが心配そうにイーノに話し掛けた。イーノはエルに微笑んで、
再びグレミーに伝えた。
「僕がやるよ。任せてくれグレミー」
「・・・」
グレミーは暫く考えた。確かにビーチャ達の中では適任だが、経験と若さが足りなすぎる。それを裏付ける根拠をイーノに尋ねた。
「イーノ。君が言うには何は当てがあるのかな?」
「勿論だ。モンドと僕は無駄に休んでいた訳じゃないさ。ジオンの名前、グレミーの威光を借りて、伝手を探し出したのさ」
「それは誰だ?」
「アナハイム・エレクトロニクスの技術士官、メッチャー・ムチャさ。アナハイムの節操の無さは世間が知る所、社内でも黙認している。稼ぎになるとちらつかせれば簡単に食いついてきた」
「ふむ・・・。早速搦め手だな。わかった、君たちに任そう。パイプを作れば補給にも役立つ」
「了解だ。早速モンドと打ち合わせてくるよ」
イーノはエルに抱えられて、再び医務室へと戻っていった。
相当な痛みなのか顔を顰めながらだった。
グレミーは艦長席に体を沈みこませた。
まるでこれから押し寄せてくる重責の圧力に耐えるような実感だと当人は感じていた。
「(やれやれ・・・、まだ何も事を成していないにも関わらずこのプレッシャーか。ギレン総帥の偉大さとその労苦に感服してしまう)」
グレミーは空を見上げて、クスクスと笑っていた。
それをジュドーが見て、心配そうに声を掛けた。
「大丈夫かグレミー?」
グレミーは我に返って、真顔になった。ジュドーに心を読まれたらしいと感じた。
「ああ、大丈夫だ。前向きなことだから期待して進んでいこう。少し前までは覇権をと思っていたが、統治者たる者はそれなりの資質を求められると書物で学んだ」
「そうか・・・」
「私は私の野望を貫徹するには、部隊の望郷の念、地球圏回帰とこれから統治を目指すサイド6圏の気持ちを全て汲み取らなければならないだろう。これは政治だ」
「・・・オレたちでできることは協力する。政治主導できるのはお前しかいない。お前がオレたちをどん底から救ってくれたんだ。それが偽善であったとしても、みんながお前の作る景色で幸福がもたらされるならばな」
「フッ、結果論だな。ジュドーやビーチャ、プル・・・道具に使えると当初は思っていたが、道具という考えでは私の目指す統治は実現できないと知ったまでだ。人や時代は日々進化していく上でそれに追随することは必然だった」
「最近はどうだグレミー?偽善なのかどうなのか」
グレミーはジュドーの
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