暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王GX 〜漆黒の竜使い〜
episode4 ー Mad Plants ー
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 ローズ・テンタクルスの触手が高く持ち上げられ、一閃。それだけでローズ・トークンが打ち砕かれ、計11600のダメージ分の衝撃が一人のデュエリストに襲いかかる。悲鳴をあげながら、男子生徒一人の体が宙を舞う。蔦が蔓延る床に力なく倒れ伏す仲間を見て、他の二人は声を失う。

「さぁ、覚悟はいいですか?」

「「うわぁぁぁぁァァァァ!!」」


 ◇◆◇

 デュエル終了後、楓、華蓮、明日香の三人は場所をデュエルコートから個室へと移していた。そこでは、二人の責めるような視線を受け、頭を下げ続ける大人が一人。


「やり過ぎました……反省してます。ホントマジで」

「本当ですよ??生徒相手にオーバーキルするなんて何やってんですか!」

「あんなダメージ、よく出せたわね……」


 華蓮はやり過ぎだと憤怒、明日香は馬鹿みたいなダメージに呆れている。

「しかし、楓さん()プロだったなんて……」

「えぇ、まぁ元ですけどね」


 私がプロになる決心をする約一年くらい前。《植物姫》の二つ名で活躍していたらしい。

だが、プロリーグの企画で四人でのバトルロワイヤル戦を行った時に今日のようにワンターンスリィキルをやらかしてしまい、また楓さんもこの時に、大ダメージを与え、相手を痛めつける事に嵌ってしまったらしく、同じようなプレイスタイルをとっていたら《 狂った植物 (マッド・プラント)》の二つ名を貰ってしまったらしい。

楓さんがサディストな一面を持っている事はなんとなく理解していたが、ここまでとは……

「……なんというか、自業自得ですよね?」

「おっしゃる通りです。はい……」


その後、これではダメになると思いプロからもデュエルからも足を洗い、逆に育成する側になったとか。その一環として、教員免許を取ったらしい。

楓さんの意外な経歴を一通り聞いたところで、ガシリと肩を掴まれる。横を向けば、私へと笑みを向ける明日香先輩が居た。

……笑顔なのに、何故だか恐ろしい


「さて、今度は華蓮。あなたに話してもらう番ね」

「へ?」

「あなた、『楓さんもプロ……』なんて言ったわよね?」

「あ……え〜と……き、気のせい」

明日香先輩の無言の圧力に続きの言葉を呑み込む。マネージャーに助け舟を求め、視線を送るが首を横に振られてしまう。

「無言は肯定の意味、ってことでいいわよね。竜使いレンカさん」

「……はい」


清々しい笑顔と共に断言され、私は諦めたように返事をした。





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