episode4 ー Mad Plants ー
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白い壁に白い床。
その部屋には一切の装飾がなく、唯一置かれているインテリアであるテーブルも白。そんな中、男ーー斎王 琢磨はテーブルにタロットカードを並べていた。
そして、ゆっくりと彼がカードを引く。
「正位置の魔術師。意味するのは物事の始まり・成功、そして無限の可能性。自信を持つことにより、さらなる成功を得る事ができる」
彼は0から]]Tのタロットを用いてその正位置か逆位置かで占うワン・オラクルといった占いを行っていた。しかし、占う相手は自分自身ではない。
では誰なのか……
「運命の輪の導きにより、遂に来たか……」
答えは彼が白に染められた制服の内ポケットから取り出した二枚の写真にある。一枚目は頭から肩にかけ、包むような黒一色のポンチョを被り、 決闘盤 を構え、漆黒のドラゴンを従えた一人のデュエリスト。エド・フェニックスを打ち負かし、見事50連勝を達成させたプロデュエリストーーレンカ。
そして、もう一枚。やや緊張気味だが嬉しそうに笑みを浮かべる紅髪の少女、最近になってデュエルアカデミアに転入してきた女子学生ーー花村 華蓮がそこに映っていた。
そして、斎王は当然のように二人の少女が同一人物である事を知っている。彼曰く、知る事を遅かれ早かれ、必然だったとか。
斎王は二枚の写真を見るとクククッと愉快そうに笑い声を上げる。別段、少女の写真を眺め興奮しているわけではなく理由は別にある。
「わたしの占いを覆し、遊戯 十代とは別に運命に逆らう力を持つ人物……」
思い浮かべるのは、レンカとエドとの一戦。あの試合はエドの勝利と占いではでた。だが、蓋を開けてみればレンカの勝利だ。エドとて弱いわけではない。むしろ、最強の一角に数えられる程の実力を有している。ではなぜか。
そこから推測されるのは、遊戯 十代同様、彼女もまた斎王の定めた運命の輪に抗う力を持っているということ。だが、十代のようにデュエルモンスターズの精霊とコンタクトを取ることは出来ない。
そこで先ほどのタロット占いが示した結果が教えている。
ーー物事の始まり・成功、そして、''無限の可能性”
「内に秘めた力は遊戯 十代をも上回る。だが、未だその力は目覚めてはいない……」
斎王は捲られた『魔術師』のカードを山札に戻すと声を潜めて笑みを浮かべた。
「だがしかし、覚醒の刻は近いーー!その時こそ、我が光の結社に加わる時だ!」
◆◇◆
授業後。
少し小腹でも空いたので購買におやつでも買いに行こうとした時だった。カウンターの横に並べられた菓子パン類を選んでいると背後から声をかけられ、振り向けば、白色の制服を着た生徒三人が並ん
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