序曲
LIVE3 KEION フェスティバル
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春の陽気は過ぎ、夏の暑さが降臨して来た頃のある休日の部活……
俺が軽音部に入って2ヶ月が経った。そして、俺には負けられない戦いが近づいていた。それは顧問の如月夏帆(俺達の担任)によって告げられた。
「今年は3年に1度開催される夏の『KEIONフェスティバル』に出場すると最初の会議で決めましたね。その大会が来週末に開催されることになりました?」
「「「おぉー。」」」
『KEIONフェスティバル』とは野球であれば甲子園のようなもので軽音部に属してる者ならば誰もが憧れる大会である。先輩達にとっては最初で最後の大会、このメンバーでやるのも最後だ。先輩達は3年生なので絶対に勝ちたいだろう。
「というわけで、その大会の参加チームの詳細を集めて来ました。」
そう言って紙が重ねられた冊子を渡す。参加校数は約160か。この中には去年一緒に活動していた仲間がいる。
「おもしれぇ。やってやんよ!」
「そうね。なんたって私たちの夢は……」
「「「全国優勝!」」」
そうは言ったものの先輩達は今まで人員が少なかったりと色んな理由で大会に出たことがない。馴れている俺は良いが、先輩達が緊張して固まってしまわないか心配だ。
「……刹那、何考えてるの?」
ここでギター担当の涼風先輩が質問してくる。どうやって返すべきか?下手な嘘は信用が下がってしまう。なら正直に言った方がいいか。
「先輩達ってたくさんの観客の前で発表したとき無いですよね?」
「確かにないねー。」
「何かで馴れなくて良いのかなって。」
「う〜ん、確かにそうね。何か良い方法があれば良いのだけれど……」
「……路上ライブとか全校生徒の前で発表。」
「あ、それ良いかもー。」
「路上ライブは置いといて、全校生徒の前で発表となると生徒会の許可が必要ね。そして、どこでやるかも決めないと。」
「それは普通に講堂で良いんじゃないですか?」
「そうね。じゃあ、明日そうだんしてみるわ。」
翌日……
「ごめんね刹那君。どういう風にやるとか説明出来ないから。」
藍那先輩が分かんないなんて事あったんだ。
「別に良いですよ。先輩には世話になってるんで。」
先輩と一緒に生徒会室に向かう。
「ここよ。 コンコン 失礼します。」
俺も後に続いて入っていく。
「失礼しまーす。」
「あら、藍那と刹那君じゃない。どうしたの?」
なぜだろう、この人を見ると悪寒がしてくる。別にこの人は悪くないんだよ。この人の部活仲間が怖いんだからね?
「えっとね、明後日の講堂の使用許可をもらいたくて。」
「何するの?」
「ミニライブやりたいの。大会に備えて。」
「あー、そういうこと。なら、良いよ。生徒会も手伝おっか?」
「えっ、良いの?」
「うん。あ、でも使用出来る時間帯は放課後だよ。」
「うん。別に良いよ
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