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歌集「春雪花」
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 如月の

  春を感ずる

   日溜まりに

 夢を描けば

    君想いける



 二月も半ばになると、少しずつ晴れ間も多くなってくる。
 その陽射しは一足早い春を感じさせ、暗い冬を払拭させてくれる。

 風は冷たくも、日溜まりは心地好く…その光の中に未来を描いてみたら、そのどれもが彼ありきの夢であった…。



 会えもせず

  待ちてや侘し

   晩冬の

 君居ぬわれに

    春はなかりき



 会うことも儘ならない…そんな彼を虚しく待つ間に、冬が終わろうとしている…。

 春は必ずやって来る…そう、冷々とした冬はもうすぐ去って行くのだ…。

 しかし…彼と共に在ることの出来ない私には、きっと春は来ないのだ…。

 この先も、寒い冬の日暮れの様な世界に…ただ一人、彼を待ち続けているのだろう…。

 来ないと解っている彼を…ただ…待ち続けるだけ…。




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