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RSリベリオン・セイヴァ―
リベリオン・セイヴァ―外伝SHADOW 一話
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――信じられない。姉さまに限って、そのようなこと……
「まぁ、信じるも信じないもアンタ次第だが、本当にこれ以上は二度とエリア14に入るんじゃないぞ? わかったな?」
「……」
そこまで言われても、箒はやはり心残りがある。そこまでしてもあのお守りが大切な物なのだろう。
「……ちなみに、その大切な物ってのは何だ?」
「は……?」
「もし見つけたら、届けておいてやる。特徴は?」
そんな、些細な青年の気遣いに箒は期待していないも一様教えた。
「青い、ガラス玉のペンダントだ。大きさは、ビー玉程のサイズだ……」

その後、箒は一夏達に心配されながらも見つけられて一件落着である。
しかし、一方の青年はと言うと……
「あーあー……良い事したとはいえ、あんまり感謝されなかったし、いい気分になれねーなぁ〜?」
ランニングとトランクスだけになった青年は、自室の小屋で寝転がっていた。彼の自宅は、玄関には石の釜土、居間には囲炉裏と、まるで田舎の家を思わせる室内であった。
苦労してかき集めたチップと葉巻。しかし、目の前で危ない目に会っている人が居ると、やはり反射的に行動に出てしまうのが時に悪い癖となった。
「おーい! 玄弖? 居るか?」
誰かが、彼の自宅の戸を叩いた。その声からして、青年こと八文字玄弖(はちもんじくろて)は戸を叩く主の名を口にする。
「おお、大剛か? 入れよ」
すると、戸を開けて入ってきたのは大柄の太った青年だった。彼が玄弖のジャンク屋仲間の一人、克真大剛である。鈍感で大食漢だが、気の優しい奴だ。
「さっき、ガイラの旦那達から聞いたぜ? 女の子とお宝を取り換えっ子したって?」
もう噂は広まっていたらしい。
「ああ……まぁな?」
「本当に、お前はお人好しだよな? ISの女の子を助けるなんてさ? ま、俺はお前のそういう優しいところが好きだけどな?」
「けど……あんま感謝されなかったよな〜? 今度からはもっと可愛げのある娘にすっかな?」
「まぁまぁ? ガイラの旦那らにも家族が居るんだからさ? あのチビ達に腹一杯食わせてやれたんだから良い事したと思うぜ?」
「そうかな?」
ガイラ達は、あのような野盗の仕事をしているわりにはアジトで大勢の捨てられた幼い少年たちを育てている。
このご時世、女尊男卑の風習がエスカレートするにつれて孤児になる男児が多くなっている。おそらく傲慢すぎる女達による仕業だろう。女性達が子供まで性差別するなんて世も末だな?
「それで? 俺がやって例のお宝は売ったら儲かったって?」
「ああ! あの金額はスゲェよ? しばらくは満足の行く食い物をチビ達に食わせてやれるってガイラの旦那達が大喜びしてたぜ? さっき、俺に玄弖に礼を伝えてくれって言ってたぞ?」
「はは……そうか? なら、損した気分じゃねぇや
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