リベリオン・セイヴァ―外伝SHADOW 一話
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から来た?」
「そこの……穴からだ?」
彼女は自分が入ってきた塀に空いた穴へ指をさした。
「ほう? これはまた見事に空いたものだ? 鉄板以外にもコンクリートで固めてあるところが一カ所だけあるとは聞いていたが……」
青年は先にその穴を潜り抜けると、無事を確認したのか後に続くよう箒に言った。
「待て、私はまだ探し物が残っている!」
「そんなもんは放っておけ? グズグズしてっとまた誰か来るぞ?」
「うぅ……」
こうしている間にも、また誰かの声が近づいてくる。止むを得ず箒は青年の後に続いて穴を潜った。
「……ここから来たのか?」
元居た裏路地までたどり着くと、青年は聞いてきた。
「ああ、そうだ……」
「そうか、多分今日中にここも鉄板でふさがれちまうだろうな?」
エリア14は、外部の人間が立ち入ることは決して許されない。ましてや、外の人間達にとっても自らの安全を考えた上で穴を塞ぐことに賛成するだろう。
「そんな……私は、まだ大切な物が!」
「残念だが、諦めろ? あのまま長居していたら人生終わっちまうぞ? 男なら見つかったら摘み出されるぐらいで済むが、女だったら……」
「しかし……!」
彼女は、このエリア14の本当の恐ろしさを知らないから諦めの悪い態度を続けている。
そんな彼女に、青年はこう言う。
「言っとくが、ここはメガロポリスとは違った別世界の日本だぜ?」
「……?」
青年は、真顔でこのエリア14こと別名「闇界」について詳しく話しだした。
「……ここは、IS社会とは大きくかけ離れた無縁の世界さ? 外では女尊男やらと女共が騒いでいるが、それとは違ってここじゃ逆の男尊女卑ってのが支配している。外の世界から迷い込んできたIS社会の女共は容赦なく拉致られて奴隷にされる。彼女らがどんなに女尊男卑を唱えようとも、こっちたぁ知ったことじゃない。それに……この闇界じゃ、ISに変わるおっかない兵器やバケモン共がウジャウジャとうろつき回っているのさ? ISの大群が掛ってきても瞬殺で終わり」
「そんな馬鹿な話があるわけないだろ?」
箒としては信じることができない。今まで最強と信じてきたISよりも上位につく存在など知る由もないのだから。
「……篠ノ之束を知ってっか?」
――姉さまを?
箒は、姉の名前を聞いて目が驚く。
「今から三年前……かな? そんとき奴が、束が差し向けたISの大群がこのエリア14を襲いに来た」
「なに……?」
「……だが、全滅させたらしい。此処のお上が」
「そんな戯言、信じきれるものか?」
「先ほども言ったように、ここにはISに変わる殺人兵器や化け物らが住み着いてる世界だ。それ以前にも束によるハッキングテロがあったけど、それも呆気なく失敗したとさ?」
そんな、迷信のような青年の話に箒は唖然とした
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