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RSリベリオン・セイヴァ―
リベリオン・セイヴァ―外伝SHADOW 一話
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それに、自分たちが大好きな葉巻も久しぶりに銜えることができる。ガイラ達はゴクリと唾を飲み込んだ。
「に、偽物じゃ……?」
「じゃあ、一本吸ってみます?」
青年は、葉巻の入った箱から一本をライターと共に取り出した。
「お! うめぇ……本物だ!?」
その味はまさしく葉巻だった。
「な、なぁ? 玄坊、俺にも一本……」
ガイラを羨ましがって彼の仲間らが青年の元へ寄ってくる。青年も、彼らに本物だと信じてもらうために一本ずつ渡した。
「本当だ……こいつは高級物の葉巻だぁ!」
「それと、このチップも見てみます?」
次に青年はチップの一枚を彼らへ渡す。従来の偽物なら基盤の番号が無かったり手触りなどですぐわかるものらしい。ましてや、ガイラ達もこれまでより多くの偽物や本物を目にしてきたため、今青年が手にしているこのチップの正体を見極めるのなんて造作もないことだった。
「……すげぇ! こいつは本物だ!? コイツも……コッチもだ!」
次々とチップを手に取っては鑑定するガイラは、この大量の本物を目に度肝を抜かした。
本物はおそらく、一枚5万以上の値打ちが付く。それをこんなに山ほどなら……
果てには手が震えだす男も出て、ますます青年の持つ箱が欲しくなってきた。チップパーツも全部売れば当分金に困ることはなさそうだ。ガイラは、こう口に出す。
「玄坊? そいつを……俺たちに譲っちゃもらえねぇか? 頼む! タダでとは言わねぇ?」
「そうだ! 何なら……俺の有り金をやろう!?」
「それと、凄く美人な奴隷女も紹介するぜ?」
他の仲間も全員彼に同意であった。すると、青年はニタっと箒の方を笑んでこう言う。
「じゃあ……あの可愛い娘ちゃんと交換ってのはどうっすか?」
「この小娘とか?」
「いいっていうなら、このチップもオマケにつけちゃいますよ?」
「おお! 玄坊、オメェ話がわかるじゃねぇか? よし決めた。ほら、この嬢ちゃんはお前さんの好きにしな?」
と、ガイラは箒の首元へ犬のように鎖の付いた首輪を付けると、それを青年へ手渡した。
「じゃあな? 葉巻とチップ、ありがとよ?」
「さて、と……」
ガイラ達が行ってしまうと、青年はニヤリと暴れる箒へ振り向いた。
「離せ! 外道!!」
途端に箒は激しく暴れ出す。
「わ、わかったから? 大人しくしろ!?」
「うるさい! 離せ!?」
「逃がしてやるから大人しくしろってんだ!?」
脅すつもりはないが、彼は腰のホルダーからコンバットナイフを取り出した。
「!?」
無論、竹刀も何もない今の箒は無防備なか弱い少女だった。そんな彼女が目の前で鋭い刃を見せられれば……少しは口を閉じた。
すると、青年はその手に持つナイフで彼女の首輪を切ったのだ。
「な、なぜ……?」
「助けてやるって言っただろ? アンタ、どっ
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