リベリオン・セイヴァ―外伝SHADOW 一話
[11/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
れず、再び寝ようとしても寝付けることができなかった。
「あの夢……」
玄弖は、そのまま玄関を出て自宅を出た。夜道を散歩しようと思ったのだ。この時間帯なら周辺のゴロツキは皆寝ている頃だ。
そもそも、ガイラ達のような地元の連中は、近所の人間をむやみに襲うような連中ではない。ああ見えて、ご近所付き合いは大切にする奴らだから、よくわからない……
「……そういや、あの娘の大切な物ってあそこだよな?」
玄弖は、今日会ったあの美少女のことを思いだした。よほど大切な物だから、諦めろと行ったときは大変落ち込んでいたようだ。
「……ま、暇つぶしに行くか?」
懐中電灯を片手に、玄弖は例のあの開いた場所へ向かう。しかし、穴は今日中に鉄板で塞がれていた。
真夜中の草むらに懐中電灯を照らしながら、玄弖は手探りで探し始める。
――確か、青いガラス玉のペンダントだったな?
彼女から聞いた言葉を頼りに、俺は草むらを手でかき回した。それほど広くない草むらだから懐中電灯を使えばとても探しやすく、そして何か固い冷ややかな物が指先に当たる。
「……?」
――……丸い玉?
指先に当たったものを掴んで拾い上げると、それは間違いなく青いガラス玉であった。
「よかった! 見つかったぞ?」
――あ……!
しかし、誤算が生じた。俺はふとあの落とし主の少女とのやり取りを思いだした。
「……名前、聞いてなかった!」
だが、ガイラ達からいうに「IS学園」の生徒らしい。なら、IS学園へ行けばいいんじゃないか?
行くら通してくれなくても、一様門番の人に落し物を預ければいいだけのことだ。
そう、軽い気持ちで玄弖は明日の備えた。
翌日、玄弖は支度をしてエリア14を出ていこうとした。大抵、ここで暮らしている住民は外部との行き来は自由であった。
そして、俺にとっては初めての外の世界である。生まれも育ちもこのエリア14だったからこれまで一度も外の世界へ飛び出したことなどない。
「……よし! そんじゃあ、行くとするか?」
身支度を整え、俺はペンダントを首にかけ、自宅を出ようとした……が、
「よう、玄弖?」
「弾?」
そこには、ちょうど彼の元へ訪ねに来たのか、弾が現れた。
「どうした?」
「今朝、大剛から聞いたぜ? 外へ行くだって?」
「あ、ああ……そうだけど?」
「……なら、一つだけ忠告しておく」
「ん?」
すると、弾は真顔で俺にこう言う。
「……外の世界は平和だが、差別はある。女に絡まれたらすぐにコッチに帰ってこい? 何かと面倒になる前にな?」
と、それだけ言い残すと彼は行ってしまった。しかし、弾の言っていることは本当かもしれない。彼は元、外の世界の住人だ。同じ男性としてあの女尊男の世界で生きてきた人間だ。
――アイツ、過去に何があったんだろう?
どうして、
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ