暁 〜小説投稿サイト〜
紅く染まった琥珀石
「火竜と猿と牛」
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バカー!!」
ロメオは拳を握りしめ、泣きながらマスターの顔面を殴り「チクショー!」と叫びながら帰って行った。
そんな様子を見てたルーシィはぽつりと呟く。
「‥厳しいのね」
「ああは言っても本当はマスターも心配してるのよ」
すると持ってた依頼を再び依頼板に勢いよく埋め込んだナツ。

「おおい!! 壊すなよ!」
出口に向かうナツを見、マカロフは溜息を吐いた。
「マスターやべーんじゃねえの? あいつマカオ助けに行く気だぜ。
んなことしたってマカオの自尊心が傷つくだけなのに」
「進むべき道は誰が決める事でもねえ。放っておけい!」

「まったく‥何か心配だから私も行きますね‥」
「山壊されたらたまんないわ」と呟きながらミントを連れコハクも後を追った。

「コハクも行くの!? それにどうしちゃったの? あいつ‥」
「ナツもロメオ君と同じだからねぇ」
「え?」


「自分とダブっちゃったのかな。私達、妖精の尻尾の魔導士達は皆何かを抱えてる。
傷や痛みや‥苦しみを」

ミラは悲しい声色でそっと呟いた――。







次の日、道を走る馬車の中ではナツとコハクとハッピーとミントの姿が。
そして何故かルーシィの姿もある。
「何でお前がいんだ‥?」
「別に良いじゃない。それにしてもあんた本当に乗り物ダメなのねぇ‥何かいろいろ可哀相〜」

「コハク‥魔法で治してくれぇぇ‥」
「無理です! 私の魔法は治癒系ではありません!」
ナツはコハクに助けを求めたが無理そうだ。
ルーシィの脳裏に、ナツの育て親がドラゴンのイグニールだった事やそのイグニールが消えてしまった事を、昨日ミラから教えてもらった記憶がふと蘇る。
すると馬車の揺れが突然止まった。

「着いたの?」
「そうみたいですねぇ」
「止まったぁー!!」

「すみません、これ以上は進めませんわ‥」
馬車の運転手が弱気そうな声で呟く。外を見てみると辺り一面雪景色だ。大吹雪でとても馬車が通りそうもない。
「はあ!? なにこれー!!」
「これは相当降ってますね」
「雪だー!!」

「寒いー! いくら山の方だとは言え今は夏でしょ!? こんな吹雪おかしいわ!」
「ルーシィ大丈夫?」
「そんな薄着してっからだろ」
「あんたも似たようなもんじゃないの!」
ルーシィはナツのリュックから毛布を引っ張りだし、そして懐から銀の鍵を取り出した。

「ひ‥開け‥時計座の扉‥ホロロギウム‥!」
煙の中から長身で時計の形をした星霊が現れた。
「おお‥時計だ!」
「かっこいいー!」
「凄い星霊持ってますねぇ」
ホロロギウムの中に入ったルーシィは口をパクパクしている。

「「あたし此処にいる」と申しております」
どうやらホロロギウムがル
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