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ドラゴンクエストX〜紡がれし三つの刻〜正式メンバー版
一の刻・少年期編
第八話「来ない春とイタズラ妖精」
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早く来てほしいな」
「ほんとに変だよね」
「ピィ〜〜」
「ガゥ〜〜、ク〜ン」
「ん、どうしたのリンクス。寒いの?」
「キュ〜〜ン」
リュカは寒そうに擦り寄ってくるリンクスを抱き抱えてやる。
「あはは、甘えん坊だねリンクスは」
「キュゥ〜〜ン♪」
そんな彼等が酒場のある宿屋に向かっていると其処に見慣れない一人の青年が居た。
紫色のマントを身に付け、長い黒髪は根元で纏め、頭にはターバンを巻いていた。
青年はリュカを見つけると優しく微笑みながら近づくとしゃがみ込んで目の高さを同じにする。
「今日は、坊や」
「こ、今日は…」
「そのベビーパンサーやスライム達は坊やの友達かい」
「そうだよ!皆僕の友達なんだ、悪い魔物じゃないよ!」
「ははは、心配しなくても苛めたりしないさ。こんなに綺麗な眼をしてるんだ。悪い子達じゃない事は一目で解るよ」
青年はそう笑いながらリュカの腕に抱かれているリンクスの頭を撫でてやり、リンクスも別に抵抗せずに大人しく撫でられている。
「ガウ?」
「ピイ?」
(この人の目、リュカとそっくり……。いや、全く同じだ。何で?)
スラリン達も目の前の青年の違和感に…否、"違和感の無さ"に驚いていた。
そしてリュカを見るその目の寂しさ、そして哀しさにも。
青年はリュカの腰にある道具袋を見つめ、其処から淡い光が零れているのを確認すると笑いながら語りかける。
「坊や、何か綺麗な宝玉を持ってるね」
「え、これはダメだよ!……お兄ちゃんひょっとしてドロボウ?」
「はははは、違うよ。僕も同じ様な宝玉を持ってるからちょっと気になっただけさ、ほら」
リュカは袋を隠すようにしながらゆっくりと後ずさっていくが青年は自分の袋から黄金色に輝く宝玉を取りだした。
「わ、ホント。僕のとそっくりでキレイ」
そう言いながらリュカは袋から自分の宝玉を取り出す。
並べて見比べようとすると青年の宝玉が日の光を受けて光り、リュカ達は目を眩ませ一瞬目を閉じると躓いたのかよろけて倒れそうになり、それを青年が支える。
「大丈夫かい、坊や?」
「う、うん、へいき」
青年は立ち上がりながら宝玉を自分の袋にしまい込み、リュカも自分の袋に入れた。
青年はそんなリュカの頭に手を乗せ、優しく撫で付ける。
「何?お兄ちゃん」
「坊や、お父さんの事は好きかい?」
「当たり前だよ、僕の父さんは世界一なんだ」
「そうか……、だったらその父さんに誇れる男になれ!負けるな!挫けるな!何があっても前に進め!……いいな」
「う、うん!分かったよ、お兄ちゃん!」
リュカはそう叫び、青年が差し出していた拳に自分の拳をぶつける。
青年はそんなリュカを見て優しそうに、そしてやはり哀しそうに微笑
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