二十二話:歪む世界
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を開始するはやて。
クロノから示された情報は味方である管理局ですら信用はできないことを物語っていた。
何故なら、恐らくは上層部は平和の為ならば、ひいては管理局の為ならば身内ですら始末することを許容しているのだ。
恐らくはそのためのシステムの一つが『魔導士殺しのエミヤ』なのだろう。
そんな人間たちが居る場所でこの話をすればどうなるかが分からないためにクロノはわざわざ自らの家を指定したのである。
「どこまでが彼の件に噛んでいるかは分からないが、この話はするべきではないだろうな。逆に、管理局の危機に関しては寧ろ協力は得やすいだろう。管理局が倒れれば複数の世界で同時に大規模な紛争が起きてもなにもおかしくないからね」
「……あくまでも世界の為なんやね」
「ああ、狂ってはいるが間違いなく大多数にとって正義ではあるだろう。だからと言って……認めたくはないが」
大多数の正義を否定することはできないが、肯定することもできない。
その考えは決して間違いではないと同時に理解もできる。
しかしながら、受け入れられるかどうかは別である。
何よりも努力した末に最終的に仕方なくその選択を行うのではなく、最初からその選択しかしないのでは大きな違いがある。
彼は弱者を救おうともしない選択を正義だとは言いたくはないのだ。
「まあ、今は大人しくしておくのが賢明だ。それと、部隊の人員についてなんだが……」
「どこに敵がおるか分からん以上は身内で固めんと不味いってわけやね」
「そうだ。もしくは内部に深く関わっていない若い人間を選ぶべきかな」
表立って動くことはないであろうがどこに敵がいるか分からないという状況は厳しい。
遠回しな妨害であればどうとでも対処はできるのだが、内部から崩されればひとたまりもない。
故に絶対にこちら側だと信頼できる身内で固めた方が有利なのだ。
はやてが切嗣を追うのをやめれば部隊の設立には口出しはしてこないだろうが、そういうわけにもいかないので念には念を入れなければならない。
「結構厳しい条件やけど、私は人間関係には恵まれとるから助かるわー」
「フェイトとなのはにも声をかけるんだろう?」
「もちろん。ことがことやから戦力の出し惜しみはできんしなぁ」
「そうなると、かなりリミッターをかけることになりそうだな」
「まあ、本当の理由を言えん以上はそうなるやろうなー。でも、言ったら言ったで嘘か本当かで揉めて設立するのに十年ぐらいかかりそうやし」
「違いないな」
既に陸の方ではこんなものは嘘だろうとこの案件は忘れ去られている。
まあ、いきなり『明日世界が滅びます』と言われたようなものなのでそれも無理もない。
予言したカリムと親しい関係でなければはやても真剣に取り合ったかは微妙な
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