第十二話
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暮ってもんだが」
「心配してくれて嬉しいよ」
「へいへい」
俺はそう言って高城家が用意してくれた俺の寝室に戻ろうとした時に、毒島がある事を呟く。
「君はいつになったら私達に心を開いてくれるのだ?」
「そいつはどういう意味だ?」
「そのまんまの意味だ」
俺は振り向いて、毒島に告げた。
「俺は普通にお前達を信用しているけどな」
「見た目はそうだ……だが君は、ある一線を超えようとすると線を引いている。」
こいつ……どうして俺の心の奥底を逆撫でするように言ってきやがる。このグループで腕や心構えは信用している。だけど、深くまでは自ら進む気にはならねえ。
それは前世の経験からくる事だからだ。
「何を恐れている」
毒島は更に呟く。
「何が君を縛る?」
「なあ、俺は出来ればお前にこんな事は言いたくねえ」
殺気を込めた視線を毒島にあてる。だが、毒島は微塵も表情を崩さない。
「はっきりと言ってやる。俺は女っていう生き物を信用してねえんだよ。」
そうだ。前世でどれだけ俺は女に騙された。
ブランドやスイーツにしか目がないビッチ共に、俺はどれだけ騙された。欲しい物が手に入れば、直ぐに要はないと別れて、また新しい男の元にいくような奴らに、どうやって信用を置く。
「それが、君が一線を引いている理由か?」
「ああ。懐が狭いって思うなら勝手に思いな。俺は小室ほど、自分の懐が深いわけじゃねえんだ」
「深い事情があるのだろう。冷静な君が、そこまで感情的に言うならなおさらだ。だが、深い悩みを抱えたままだと、いずれは壊れてしまうぞ」
「何を言ってやがる」
この世界に来た時から俺は……。
「既に壊れてるんだよ……俺は」
世界が崩壊した今の世界で、<奴ら>を倒して、生きた人間相手に銃口を突き付けて撃つ感覚に喜びを感じている時点だな。
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