宇宙編
月決戦編
第24話 反逆の宇宙3
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蹴り上げられたコックピットの中、朦朧とした意識で通信を聞いていた。
「そんな…」
「俺はお前に墜とされるような腕はしちゃいないぜ?」
乱れる思考を変え、瞬時にドーベン・ウルフの死角へと回りこむザク。
「墜ちろ??」
「フン…」
有線アームを飛ばし、受け止める。
「先を急がせてもらう。こちらの推進剤も余裕がないんでね」
軌道を変更し、艦隊へ飛ぶドーベン・ウルフ。
「フーバー!」
「追うぞ!」
向かう先は艦隊の端、補給艦パプア。
「熱源反応あり!MSと推定、数は1、後続に2機!」
「グワンバンから連絡のあった反乱機か。後続は味方だな」
「よし、直掩のMS迎撃にあたれ!対空防御、弾幕を展開??」
艦長の指示によりMSが動き出し、牙狼の行く手を阻む。
雨のような弾丸がドーベン・ウルフを攻め立てる。
「邪魔だ」
右にロールし、バルカンで火器を潰す。
「ちっ、ドーベン・ウルフかっ??」
パプアからの弾幕を潜り抜け、MS隊に肉薄し、ミサイルを斉射した。
「くっっ!武器庫か??こいつは??」
ガザDのサーベルを受け止め、胸部の拡散ビーム砲を直撃させる。
ドロドロに融解した機体が、やがて核融合の爆炎の光に包まれるなか、更にバインダー先端部のビーム砲でブリッジ基部を狙撃する。
「まずいわ??パプアが??」
「沈む…」
アラートが鳴り響き、混乱するブリッジ内。そんな中煙界を抜けてきた敵機が目前に迫る。
「た、たいッッ」
刹那、掌より放たれし閃光がブリッジを貫く。
「こうも呆気なく、戦艦を…」
「許さない、絶対に??」
「来たか??」
頭を光が通るような感覚を感じ、二機の接近を認識する。
「お留守だぜ」
既に射出されていたインコムが背後を狙う。
「当たらない??」
フーバーの研ぎ澄まされた神経は、機械制御のビーム砲の反応速度を追い越し、後部ガトリングが火を噴く。
「チッ、退き時か…」
光軸を退け、強いGがコックピットを揺らす。
急上昇し、フィンドラ目掛け加速していくドーベン・ウルフを、フーバー達はただ見ている事しかできなかった。
「クソ…、、、絶対に仕留めてみせる…この俺の手で??許す訳には行かない??」
真空を舞う狂気にも慣れを感じつつある。
また会うだろう、この宇宙で。
連邦宇宙軍、管制室
「ディエゴ将軍」
静まり、座標の状況を知らせる声だけが響く管制室。
「座標の移動が完了しました。現在艦隊の編成中で約70時間後には…」
「了解した。」
巨大なスクリーンモニターに映し出された銀色の筒。
辺りには無数のミラーが配置され、暗い宇宙を照らしている。
「いよいよ、かな」
月決戦まで、あと2日…
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