第8章 第5次イゼルローン要塞攻略戦 後編
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「今だ!全艦突撃!」
シトレ大将の図太い声が響く
宇宙歴792年 5月7日 同盟軍による平行追撃作戦が開始された。
当時私は強襲揚陸指令艦「バスク11号」の中で戦術スクリーンを通してそれを見ていた。
同盟軍による午前中のあまりやる気のない艦隊砲撃戦からこの平行追撃作戦にはさぞかし帝国軍は同様したにちがいなかった。
隣で腕組みをしながら戦術スクリーンを見ていたバークレー中佐は相変わらず落ち着いている。
今回の作戦で中佐は我々強襲揚陸部隊とその護衛任務指揮官を引き受けている。おそらく今回の作戦が成功すれば大佐に昇進するに違いないと噂される中佐であったが本人としては
「俺は士官学校も出てないし指揮幕僚課程も出てないのに中佐だ。充分すぎる」
と言ってまた拒否しそうだったが、同盟軍は陸戦部隊の増強とともに宙陸両用戦部隊の増強を図る予定なので優秀な佐官指揮官は喉から手が出るほど欲しいはずだ。
まあもっとも中佐やエリー准将のように宙陸両用戦部隊指揮官出身の上級士官が少なすぎてなかなかこの手の作戦には艦隊指揮官たちは理解してくれない。
というのが我々の悩みだった。
正直な話今回の周辺衛星に駐留する即応艦隊基地制圧作戦だって本当に危なかった。
そしてこの要塞制圧作戦もかなり危ない。
我々が遠征軍本隊から離脱して要塞に侵入するまでの時間的距離は10分程度
たかが10分されど10分だ
この10分でもし敵の駆逐隊が攻撃してきた時点で強襲揚陸艦部隊は4分の1の戦力を失うだろう
なんて言ってもバークレー中佐が率いるのは駆逐艦10隻と巡航艦10隻と他は全て強襲揚陸艦であったのだ。
そんな中でも中佐はなんとか頭をひねってスパルタニアンによる戦力増強を図ることでその不足分を補うことにした。
しかし、そんな危険極まりない任務に手を上げてくれるような変人かつ優秀な飛行隊指揮官はあの男を除いていなかった。
もちろんそいつはステファン大尉だった。
ステファンの率いる1個空戦中隊は軽空母「コルテッツ」に艦載され護衛艦集団が全速突撃身踏み切った瞬間に発艦して我々の護衛につく。
ステファンとは作戦事前会議でこのてのことを話していた。
また,我々ローゼンリッターと特殊作戦コマンドは対空砲をあらかじめ少なくした箇所から強行して揚陸することになっている
その制宙権確保と対空砲撃滅のためにわたしの同期であったマッド・ウルシュ中尉が率いる対艦攻撃飛行隊1個中隊が着いてきてくれることもステファンから教えてもらった。
平行追撃作戦開始から1時間30分が経過
要塞制圧部隊に出撃待機命令が下る
バークレー中佐の指揮下で第2艦隊要塞突入先遣隊が後ろにつき我々が先頭になって進む
第2艦隊の2線交戦ラインで待機
30分後 無人艦艇が突入を開始 出撃命令下令
我々は第
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