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ローゼンリッター回想録 〜血塗られた薔薇と青春〜
第8章 第5次イゼルローン要塞攻略戦 後編
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中隊を頼む
そして、第2艦隊の医務官のニコール准尉にこれを頼む」
と言って少尉時代初めての給料で買った時計をわたした。
軍曹は
「それはいたしかねます。大尉!
私も残らせてください!」
目に涙をいっぱい溜めた軍曹を見る
いい歳した大男が泣きそうだったのを見て思わず自分も泣きそうになったが私は
「軍曹これは命令だ!
それに少尉と私が持つ分の遺体袋は誰が持って行くんだ!?
貴官に任せるしかないだろ?
中隊員の生存者を何としても本隊まで連れ帰ってくれ!
もちろん我々はこんなところで死なないし死ぬつもりもない!
少しの間だけだ
頼むぞ!」
と思いっきり見栄を張って見せたが、私自身こんなところで死にたくなかったが部下たちを助けるには自己犠牲も厭わないと自分に言い聞かせていたのでスッキリとした気持ちであった。
私とリューカス少尉は通路を突っ走る
通路は爆発の破片やら遺体やらが散乱しており、走るには決して気持ちの良いところではなかった
私たちは現状確認のために艦橋へむかった
しかし、帝国軍はなぜこんな沈みそうな船に強行接舷したのかがいまいち理解できなかった
艦橋に駆け上がるとそこはもはやぐちゃぐちゃでで機材が散乱し激しく損傷した遺体や燃え盛る遺体だらけであった
そんな中で私たちはパネルをいじって脱出艇の全艇脱出を支援するために管制を行いながら帝国軍の所在を確認した
帝国軍は損傷していない右舷から入ったと見えた
脱出艇が全て脱出するまで時間稼ぎとその管制を行わなくてはいけなかった。
そこで止むを得ず、二手に分かれることになった
私は帝国軍を追い払いに行きリューカス少尉は管制業務を行って全艇脱出完了し次第我々も脱出ということになった。
敵を一本の通路のみに誘導するために私は第1から7ブロックのすべての通路を遮断し帝国軍が否が応でもでも第8ブロックというどうしても脱出艇乗り込み口のある第9ブロックへ向かう際に通る道のみに誘導した。
同盟軍艦艇の通路遮断板は並の爆薬では破壊できない頑丈なものなので敵は数を持って押してくるのは間違いなかった。
監視カメラから確認する限り敵は擲弾装甲兵3個小隊
いつでもかかってきていいように机や椅子などでフェイクバリケードやその中に対人地雷を設置しブービートラップを仕掛けた
帝国軍が来るまで5分程度だったが自分でも結構満足な出来だった。
バリケードの中で帝国軍を待ち構える
ライフルを構えていたが左腕が血だらけだった
見てみると鉄の破片で結構でかいのが刺さっていた
今まで気づかなかったようだった
さっき設置したブービートラップの爆発音が聞こえる
帝国軍だ
さあ来い!
死んでいった部下たちの仇だ!
ライフルのスコープに擲弾装甲兵が映る
経験が浅いようで警戒もせずにやってきた

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