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ローゼンリッター回想録 〜血塗られた薔薇と青春〜
第8章 第5次イゼルローン要塞攻略戦 後編
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笑し励ましあい必ず生きて帰ろうと言っていたのに
放心状態だったのは3分くらいであっただろうか
私は起き上がり突入待機室で生き残った中隊員たちを探して回った
私のいた突入待機室では私とコンラート・キフファイザー伍長以外全員戦死した
伍長と手分けして生存者を探した
小隊長たちのうち第1小隊長 ユースフ・シュタイン少尉は腹部損傷の重症
第2小隊長 モレッティ・ハボック少尉は右腕を失いながらも生存
第3小隊長 マックス・リューカス少尉は奇跡的に無傷で生存
しかし,機関銃小隊長・第4・5小隊長のクレメンツ、ニール、コール少尉は全員戦死し
副中隊長 ジョアン・マッケンジー中尉は行方不明になった
士官は半数が戦死または行方不明
そして、下士官・兵士も4割近くが戦死または行方不明
今まで激しい訓練に明け暮れ切磋琢磨してきた戦友たちは一瞬にして物言わぬ遺体になってしまった。
私たちはまだ生き残っている負傷者や戦友たちの遺体回収、消火活動を行った
有毒ガスが充満しただでさえ危険な状態で部下たちも私も炎をかき分けて作業を行った
大声を張り上げて生存者を捜したがどの隊員たちも損傷激しい遺体に成り果てていた
それでも遺体を回収し時間が許す限り遺体回収を行った。
この強襲揚陸艦はまもなく沈むだろうが、ローゼンリッター戦友たちを置き去りにしない
負傷しても必ず連れもどすし、遺体になっても必ず連れ戻した。
しかし、リューカス少尉が
「艦橋に行ってきましたが艦橋もぐちゃぐちゃで避難指示もまわっていません。ここは残念ですが撤退すべきかと…」
少尉は唇を噛み閉めていた。
「もはやこれまでか」
と言って死体袋に入った戦友たちを見る
生存者・負傷者を合わせてさらに回収した遺体や遺体の一部を合わせても1個中隊にはならなかった
しかし、生存者たちを生きて返すことが先決だった。
わたしは
「撤退だ。
脱出艇に急げ!
遺体は丁寧に扱え!」
部下たちが戦友たちの遺体袋を担いで脱出艇乗り込み口に急ぐ
わたしも遺体袋を持とうとした瞬間だった
「ゴン!」
衝撃が強襲揚陸艦にはしった
明らかに爆発ではない
帝国軍の強襲揚陸艇が突入した音だった!
あのパトロクロスで襲われた時と同じだった
戦慄が身体中ににはしる
リューカス少尉は感づいたようで
「きましたね
わたしも行きますよ。」
と言って遺体袋を部下に渡し、トマホークを持ち、ライフルを担ぎ、わたしにも渡してきた。
わたしはしょうもない奴めと思い
「あの世までお付き合いいただこうか
リューカス大尉?」
少尉は笑いながら
「お供させていただきます。
シュナイダー中佐」
お互いにやけくそで戦死後の階級で呼び合った。
私はコーバック・ヘラー軍曹にいって
「俺たちに何かあったら
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