第3章 リーザス陥落
第80話 裏切りの母国
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は、サヤが最初に用意した薬で強化した男たちではなく、寝返ったリーザス兵士の2人だった。心を折る為に、リーザス兵士を使ったのだ。だが、それでも マリスの意思までを折る事は叶わなかった、……ただ只管にリアの事だけを、案じるだけだった。
当初、考えていた、思っていた事。かなみや、ユーリのこと。リアであれば、ランスの事。……もう、考えられなくなってしまっていた。
ただ、声が届くお互いの声を元に、マリスはリアを呼び続け、リアはただただ、泣き叫ぶ事しか出来なかった。
そして、責め続けたサヤの方も疲弊した様で、ひといきをつく為、牢獄の外へと向かった。そこには、たまたまサテラが来ていた為、現状報告をしていたのだ。
魔人とはいえ、この機会を作ってくれた相手故に、感謝をしていたフシがある。
「サテラ様。これ以上は 比喩抜きで死んでしまいますが、どうなされますか?」
「……………」
「サテラ様?」
「……っ なんだ?」
「ああ、申し訳ありません。お考え中にお声をお掛けして……。リア王女とマリスの事です」
「あ、ああ。殺さない程度にしておけ。(……あの女も、ユーリの仲間の可能性が、……っだ、だけど……もう、手遅れ……だ、だが、サテラはっ……っっ)っ〜〜〜〜 う、うがっっ!!」
「っっ!? ど、どうしました??」
サテラは私情と目的の狭間で苛んでいる。
だから、八つ当たり、と称して 牢屋の堅牢な石壁を自前の鞭で砕いては、イシスとシーザーに直させ、それを繰り返していたのだ。
ただの人間から見れば、恐ろしいまでの一撃だから、それだけみたら萎縮してしまうのも仕方がない。
そんな時、ゆらりと音もなく現れたのはノス。
「サテラ」
「………」
「サテラ」
「っっ、あ、ああ。ノスか。どうした?」
ノスが来た事で、多少は 気を取り戻したサテラ。シーザー達に後片付けを命じて、ノスの方を向いた。
「……王族の血は必要だ、と伝えた筈だが?」
「あ、ああ。サテラ、うっかりしてた。……伝えれてなかったみたいだ」
「……気を抜くのは 頂けんな。主の為に必要な事、なのだぞ」
「わ、解ってる。ホーネットの為、だからな。………(ユーリも、ユーリに来てもらう事も、ホーネットの為になる!! 絶対そうだ!!)」
何やら、気合を入れ直していたサテラを見て、ノスは ため息を吐きつつも、とりあえずは不問とした様だ。
「……それで、どうする? サテラの力が、もうちょっと……もうちょっとでも戻れば、今度こそ、聖武具、取ってくるが」
「うむ。だが、それには及ばぬ」
「え……?」
「奴らに手を出す必要はない」
「そ、そうか?? (ノスも、判ったのか? ユーリが、必要だってことが判っ
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