暁 〜小説投稿サイト〜
神様転生した先のサイバーパンクで忍者になって暴れる話
リレーションズ・サクラ・アンド・ムラサキ
2話
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る。
 この世界に浚われてきてから初めて見え始めた光明に、さくらは飛びついてしまう。
 後ろに控えていたふうま時子が口を出した。

「勿論金額は頂きますが、そちらにとっても悪い条件ではないと思いますが?」

 さくらは紫=サンのためと自身に言い聞かせて、ソウカイヤと契約を交わした。



 三日ほど後の事、ふうまは自身の部屋で書類を片付けていた。部屋には珍しく彼以外誰もいない。
 しかし、UNIXを操作しながらふうまは、

「仕事は終わったのか?」

 虚空に声を響かせた。

「報告ならこの場で受けるが?」

 独り言を喋っている様に見える。
 しかし、家具の影が僅かに揺らぎ、

「相変わらず凄いね。どうしてわかるのかな?」

 その中からさくらが飄々とした顔で現れた。

「カラテが足りないからだ。イイネ?」
「アッハイ」

 ふうまの念押しの言葉に頷くと、持っているケースを机の傍に置く。

「目的のデータはこの中にばっちり入ってるよ」
「仕事が早いな。報酬ならそこにクレジット素子が置いてある」

 さくらは机の上にある素子を満面の笑みで持っていこうとする。

「ああ、紫=サンの情報手に入ったぞ」
「本当!」

 さくらはふうまに顔を向けた。
 こんなに早く手に入るとは思っていなかったのだろう。

「報告の前に、代価を頂こうか。借金の分もな」

 悪い笑みを浮かべて、UNIXからさくらに向き直る。

「うっ……」

 その笑みにさくらは嫌そうな呟きを吐いた。

「調査費用と借金の返金が高いよー。利息は取らないって言ったじゃん」
「期限はあるといった」

催促しないとは言ってないということだろう。

「これがなくなると生活費が」
「もっと高いのもあるぞ。さくら=サンの実力なら十分に対応できるちょうどいいのが」

 ふうまはUNIXの画面をさくらに見やすく動かした。
 そこには、鷲頭茂の暗殺とショドーされている。

「流石に暗殺とかはさぁ」
「こっちならどうだ」

 もう一つの依頼の文書を画面に映す。そこにはヤンバナ・サシミ社の偽装工作とショドーされている。

「いやいや、之って実際悪い仕事じゃん」
「米連や魔族に対する情報工作等は十分悪いことだと思うが?」
「それは、いいかなって」

 彼女なりの論理基準があるのだろうか。
 さくらの答えにふうまは面白そうに笑う。

「米連が紫=サンの事を何か掴んだようだ。しかも捕獲しようと計画を立てている」

かなり重要な情報を掴んだと、さくらに言い聞かせるように話してゆく。

「この情報を得るためにこちらもそれ相応の代償を払っている。契約だから行うけど」

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