第十一話
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が所持している武器がどれだけ危険か、頼りになるかも理解している。しかし、自分達の手元になくただの『子供』の手の内にあるとなれば心情的には穏やかなではない。
少しカマをかけてみるか。
「そっちは武器は足りてると自分は思いますよ。民間から入手できるレベルを超える範囲の軍用オートの武器を大量に所持しているじゃないですか」
そう。自衛隊なら未だしも、明らかに右翼団体の一団体が所持できる武器の範囲を軽く超えている。自衛隊の次に武器が豊富な警察だって、短機関銃や狙撃銃がせいぜいだ。最近ではテロリストがボディーアーマーを装備している事が目立つために、アサルトライフルを装備しているが、ここの警察署では、装備もされているはずもない。
「て、テメー……」
「吉岡さんが、優しく対応してくださっているのに……」
「よせ!」
どうやら俺の言葉が気に食わなかったようで、数名ほど俺達に詰め寄ろうとするオジサン達だが、吉岡という男が叫び、彼らを止めた。
「すまない。確かにすべてを我々に提供しろと言えば、君達が面白くないのも理解できる。だが、我々も集めるだけの実戦に耐えうる武器を集めたが、それでも戦えるもの達に提供する数が不足しているのだ。我々は、君達『子供』や一般市民を守る為に戦う義務がある。だから、武器を提供してくれ」
口調は丁寧だが、言葉の一言一言に威圧感がある。あの現代に蘇った武士を思わせる高城の親父さんの部下なのだから、この人もまた主君にに仕える武士なんだと思わせられる。
ここで現状の出してある全ての武器を渡しても、またデスバレットの購入システムで買えば武器は揃える事が可能だ。だけど、ここで武器を渡すと銃を扱う事に自分の存在意義を感じている平野と対立する羽目になる。そうなれば、俺達のチームは、隠しきれない亀裂が生じる。
それだけは俺としては避けたい。
「子供だからって、甘えるほど俺達は腑抜けのつもりはない。少なくとも現実逃避しているあっちにいる『大人』達より遥かにマシだと自負している。それに、昨日の戦闘で死体もどきの大半を倒したのは俺達だ。」
非常時でも綺麗事の上っ面の正義だけ言って現実逃避している大人たちと比べたらな。
「わかっている。こんなご時世で甘えることなく戦う覚悟を決めた事は認めよう。ここまで来るのに、どれだけ苦労したのも理解できる。だけど、あれ程の武器を独り占めするのはよくない。我々と共に行動するなら尚更だ。」
吉岡という人の言っている事も理解できる。この屋敷にいるグループの統率しているのは高城の親父さんの右翼団体だ。この人たちの方針についていけないなら脱退するしかない。だけど、ここで抜け出しても生存できる確率は低い。だけど、全ての武器を渡す事も出来ない。
イザという時に備え
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