ナイトオブハイウェイ
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下がる布団のからよじ登り、彼女を起こさないようにゆっくり……ゆっくりと近づき……即死性の猛毒の詰まった牙を剥く。そしてそのまま、成すすべなく…………。
「ジャンゴッ!!!」
「ッ!!!!」
ギジュッ!!
太陽の光を放つ剣によって真っ二つに両断されるのだった。
突然ジャンゴがベッドに覆いかぶさるように勢いよく突撃して来た事で、流石のなのはも目を覚ますが、状況を全く把握できていなかった。するとジャンゴのすぐ後ろからおてんこが「無事か!?」と尋ねられた事で、混乱する頭の中でも何とか自分の身体に何もない事を確認して頷く。
「これは……暗黒物質で変異したムカデか? 姉御、一体どこのどいつがこんなものを……」
「静かに! この気配……何かいる――――ッ!!」
同じく部屋に入っていたマキナとアギトが、ジャンゴに斬られて絶命している虫を確認した後、何かに気付いてレックスを狙撃銃PSG1の形に展開、窓越しに遠くにいるナニカに向ける。
一方、狙撃銃を向けられた方はこの事態を見て、不気味にも頬を吊り上げていた。
「なるほど。流石は太陽の使者と戦士」
「男爵の暗殺ムカデに気付くなんて……」
「でも失敗は予測済みだ」
「でないと面白くないもの……」
影の一つが大きな筒状の何かを取り出し、狙いを高町家の2階に向ける。月の光で露わになった筒状の何かの外見は、かつて“蜜蜂”と呼ばれた兵器と非常に酷似していた。“蜜蜂”は当時から優れた命中精度、破壊能力を誇っていたが……こちらは現代改修を施されているため、その脅威となる性能も当然上昇している。しかもそれだけでなく射程距離も飛躍的に上がっている。闇の中で鈍く光を跳ね返す“蜜蜂”を持った影は、何の躊躇も無く引き金に手をかけ……撃った。
「ミサイル!?」
「そ、そんな……なんでそこまで!?」
突然のミサイル攻撃にジャンゴとなのはは驚き、対処する時間も逃げる時間も一切無い事に気付いてしまう。もしあのミサイルが着弾すれば、この家や住人はいとも簡単に吹っ飛ぶ。せっかく再会したものの、家族を自分のせいで巻き添えにしてしまったと後悔するなのはだが……咄嗟にジアゼパムを服用したマキナは冷静にミサイルをどうにかしようとしていた。
「(着弾する前に空中でミサイルを撃ち落とせば、爆発の被害はかろうじて無くせる……。チャンスは一瞬、撃てるのはたった一発のみ。……サバタ様、どうか……! ……………………………………………)ッ!!!」
BANG!!
マキナの狙撃銃から一発の銃弾が発射される。彼女達の命運を乗せた、たった一発の銃弾はジャイロ回転をしながら闇を突っ切る炎に一直線に伸びていき……!
カッ! ―――――ドォンッ!!!
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