ナイトオブハイウェイ
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くてもこれでは、なのはが可哀想だ……」
「ガチムチかぁ……適度なら私は大丈夫な方だけど、なのはにそっちは厳しいよね……」
「あら、士郎さんも昔はかなり筋肉ムキムキでしたよ? 今は老練の強者って感じで、私はとても頼もしく思っていますよ」
とにかく多少の好みの違いはあれど、なのはにガチムチは似合わないと高町家は本能的に理解した。というか本人が嫌がっているので、当然ながら選択肢から除外された。
「まあ……あれだ。ちゃんと養える収入があって程々に強く、困難にくじけない根性があって、なのはをしっかり愛して幸せに出来る男なら、父親として認める事にするよ」
「普通にまともな条件になったね。まぁ私達がどうこう言った所で、結局決めるのは本人だし」
「それがわかってるなら、なんで話をあそこまで盛り上げちゃったの……?」
「盛り上げたのは私だけじゃないでしょ。そもそも高町家のノリが妙に良いのが原因だと思う」
「いや、あれはノリって気がしないんだけど……?」
「むしろ高町家の素じゃねぇの……?」
多分わからないと思うので、面倒になったジャンゴとアギトは考えない事にした。そして部屋を宛がわれた彼らは静かな眠りに着き、この日の夜は更けていくのだった。
新暦67年9月16日、2時14分。
街灯以外、全ての明かりが消えた深夜の海鳴市。そこに突如、二つの影が降り立った。
「こんなところにいたか」
「見つけたよ……」
「眠り姫の覚醒」
「あの方の描く理想郷……」
「それを叶えるためにも」
「あなたの命、貰い受ける……」
謎の会話の直後、移動を開始した二つの影は闇夜に隠れながら、ある場所へと向かう。影の向かう先にあるのは……高町家。
新暦67年9月16日、2時17分。
皆が寝静まる高町家。なのはは2階の自分の部屋で就寝し、ジャンゴ達は1階の客室で横になっていた。時間帯もあって外では自動車の走る音も聞こえず、小さな呼吸音のみが規則正しく家の中で響いている。
そんな何の物音もしない家の2階の……まだ夏という事もあって夜も蒸し暑く、網戸を張って開けたまま涼しい風を通している窓の縁に、ポトリと何かが落ちてくる。月の光に照らされて見えるソレは、黒々とした艶のある表皮から無数の足が伸びている生理的嫌悪感を抱く虫らしきもの、しかも2匹だった。ポリプロピレンで作られた網戸は牙で容易く噛み千切られ、ソレは部屋の中へ静かに侵入……なのはの眠るベッドへ忍び寄る。
カサッ……カサッ……。
ソレは慎重に……しかし、確実に迫ってくる。目標にされているなのはは未だに眠りの中にいて、ソレに気付く様子は微塵もない。ソレはベッドの足、もしくは垂れ
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