第6話 外出
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「おお!」
緑色の液体と多少透明な液体が混合されてコップ置き場の下へと落ちていく。
「なるほど、この色と飲み物の色が連動しているのか」
サソリはコップを置いて赤い字体のドリンクのボタンを押した。
すると、
「うへ?」
赤色の想像から程遠い、ドス黒い炭酸水に思わずボタンから手を放して距離を取った。そして恐る恐る手を伸ばして3分の1程にまで注がれた黒い液体を覗き込んだ。
「これは飲んで大丈夫なのか……?」
ポコポコと泡が出たり、消滅したりと毒物に近いような感覚を覚える。
そうか、やはり飲み放題というのはこれが狙いか。
飲み放題というエサをぶら下げて、一気にこの黒い液体で死に至らしめる。
サソリは黒い炭酸水をサーバーの隣へと置いて、客を案内している店員を眺めた。
あの笑顔の裏にはこんな計画を認めていたとはな……敵ながらやるな。
サソリの視線に気が付いて、笑顔で「ごゆっくり」と言ってくる。
どこでゆっくりさせるんだか……
そこへ、小学生くらいの子供がやってきて、サソリと同じ黒い飲み物を押していた。
「お前、この飲み物はうまいのか?」
「うん、おいしいよ」
「ちょっと飲んでみてくれ」
「うん」
とその場で黒い飲み物をストローでチューとおいしそうに飲んでいく。
サソリは、少年の飲んでいく挙動に注意して観察を始める。
そして、少年が一息ついたところで少年の脈拍を取っていき、飲み物の影響をうかがう。
「即効性であれば、数分で症状が現れるな、遅効性であれば二、三時間の間を空けて効きだすから……設備が充実していれば詳細にわかるが……」
少年はサソリの行動に疑問を生じた。
「お兄ちゃん何してるの?」
「ん、お前が飲んだものが有害か無害かを判定する。少し待て」
「ゆうがいって?」
「身体に悪い影響がないかどうかだ。最悪死に至るかもしれん」
「死ぬの。僕死んじゃうの?」
「さあな、これから判断する……っておい!」
そこには、今にも泣き出しそうに顔を歪めた少年がいた。
「死んじゃう……死んじゃう」
「待て!まだ決まったわけじゃないから、おい乱すな」
「えっく、えっぐ!わああああああああああーん」
店内に響きわたる、子供の泣き声!
ぽろぽろと大粒の涙を流して、泣き始める子供に何をしたらよいかわからずにサソリは固まった。
「何してんの!アンタは!?」
御坂が子供の泣き声にすっ飛んできて、チョップでサソリの頭に思い切り捻じ込む!
「痛ってなあ!!人の体をなんだと思ってんだよ!」
チョップの余韻でヒリヒリする頭に両腕を翳して、うずくまるサソリに御坂が仁王立ちで説教を始めていく。子供は御坂と来た白井が慰めている。
「大丈夫ですわよ飲んで、あそこにいる頭のおかしい人なんか気にしないで良いですからねえ」
よしよしと頭
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