暁 〜小説投稿サイト〜
夏桜 〜この世界に俺は存在している〜
第一部 少し違う"日常"
1話
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な、でも心地よい時間が、そこにはあった。

「ねぇ、蓮利君」

「何だ?美優」

ちなみに彼女の名前は浅上美優。

この家の長女だ。

俺と同い年で、浅上家の次期"調整者"で、彼女が通う学校の生徒会長。

あ、忘れてた。

俺の名前は島宮蓮利。

年は16歳で、とある事情により、ここ浅上家に居候させてもらっている。

親はおらず、学校にも通っていない。

まぁ、簡単に言えば浅上家のお手伝いさんみたいな立場だ。

「ええっと、......お、お弁当、今日も作ってくれたの?」

「いや、いつも作ってるけど」

俺がそう言うと、微笑む美優。

うむ、笑顔が可愛い。

「それより、そろそろバスが着く時間だぞ?のんびりしてて良いのか、生徒会長様」

「あ、本当だ。それじゃ、行ってきます。鍵、閉めておいてね」

「はいはい」

俺がそう返すと、美優は小さく手を振り、玄関へと向かった。

「じゃ、行ってきます」

「ああ、行ってらっしゃい」

俺は玄関で彼女を見送ると、リビングに戻り、朝ご飯を片付ける。

そしてコーヒーを入れ、少し休憩。

......これが、俺と彼女の常の、穏やかな朝だった。


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