帰還
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のせいなんかじゃ…」言いかけて土方さんはため息をつく。「なんかもうどうでもよくなったわ。」
そう言い、土方さんも準備を始め、結局全員で行くことになった。
「ここか、竹下通りって。」
と私はつぶやき周りを見渡した。
子供達が近くにあるクレープ屋さんを目ざとく見つけ、「欲しい欲しい!」とはかせにねだっている。
はかせは「これこれ」とかも言いつつ、財布を出して買ってあげようとしている。
微笑ましいなぁ、と思いながら眺めていると…
「いやはや、この竹下通りとか言うところの食べ物もおいしいなぁ。」
「そうですね、源外さん!」
聞き慣れた声がした。
みんな一斉に顔をそちらに向ける。子供達や蘭ちゃんたちはそのままだ。
するとそこには源外のじーさん、それと真選組の隊士たちがいた。
「って!」旦那が源外のじーさんに駆け寄る。「じーさんじゃねーか!どうやってこっちきたんだよ!」
その声で隊士たちがこちらを向く。
「局長!副長!隊長!副隊長!」大きな声を出してこちらに駆け寄ってくるが、全員、その口元にはチョコやらクリームやらあんこが付いている。「心配してたんですよ!大丈夫でしたか!?」
「その割にはみんな口元にお弁当くっつけてるけどね。うん。心配してたのかな。うん。そしてさっきの源外のじーさんとの会話聞いちゃったよ。まるっきり心配してないよね。逆に楽しんでるよね。」
と次々突っ込む私と、源外のじーさんに詰め寄る旦那を見て、子供達と蘭ちゃんたちは頭の上に???マークを浮かべてこちらを見ている。
「えっと…」歩美ちゃんが戸惑いながら聞く。「おじさんたち、誰?」
源外のじーさんと隊士たちがこの子誰?と言いたげな顔で私たちを見る。
「えーっと、ね。」私は何から話そうかと手をこすり合わせる。「歩美ちゃん、こっちのおじさんは平賀源外って言って、私たちの世界のからくり技師。で、こっちの黒い服着てる人たちが真選組隊士。どっちも私たちの味方だから、安心して。」
そして源外のじーさんの方に向き直って言う。「えっとね、話せば長くなるんだけど、ま、こっちの世界でできた友達ってとこかな。」
「そーかそーか」じーさんはクレープを手に持ったまま言った。「ま、喜べ、銀の字。帰れるぞ、この世界から。」
「おー、まじか!やった!さすがだぜ、じーさん!」
帰れる!?やった!
と思った時。
「えー、恋奈ちゃんたち帰ってしまうのん?せっかく会えたのに…」
和葉ちゃんがしょんぼりする。
あ、と私は我に返った。
帰るってことは、つまり…
コナン君とも、哀ちゃんとも、歩美ちゃんとも、元太君とも、光彦君とも、蘭ちゃんとも、小五郎さんとも、和葉ちゃんとも、平次君とも、刑事さんたちとも別れなくちゃならない。
「大丈夫やって和葉」平次君が和葉ちゃんをなだめる。「離れたとし
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