第一部 少年たち
第三章
VSヴァジュラ
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まる音が聞こえてやっと時間が動き始めたような気がする。
◎
フェンリル極東支部、エントランス。ここはミッションの発注、受注などが行える。一階と二階に分かれており、一階にオペレーターがいて右隣によろず屋がある。二階には中央に出撃ゲートがあり左手にラウンジへと続く扉がある。出撃ゲートの近くにはターミナルが左右二つ存在する。
指示通りにミッションの受注を済ませる。
「お疲れ様です。今日が初陣で緊張しているかもしれませんが頑張ってください」
今日がついに事実上の初陣となる。ミッション名はカウボーイ? 対象アラガミはオウガテイル。てっきり中型や大型のアラガミとの戦闘になると思っていたが予想外だった。今日のオペレーターはヒバリさんか今日も綺麗なお姉さんって感じだな。
『今日の引率を担当する者だ。君が作楽サキか』
「はい」
確りとした体の男性だ。フェンリルの制服をしっかりと着こなし、見下すように見つめてくる。初見の雰囲気、嫌な感じ。それに少し不機嫌。
『今、何時だ。もう一人はすでに15分前に来ているぞ』
すぐさま時計を見る。時間は一応、開始の5分前。
「すみません」
『これだから腑抜けたガキの子守は嫌なんだよ。外面だけは一人前の顔しやがって。ほら、いくぞ』
全く持っていやおじさん。でも階級はどうやら曹長クラスらしい。
無言でついていく。すると出撃ゲートの前にはルイがいる。
『よし、そろったし、行くぞ』
まさかの初陣はルイと一緒? 俺はオウガテイルを一体でも倒せるかな?
◎
嘆きの平原。巨大な竜巻が中央で渦巻いている。中央はクレーターとなっている。都市部だったことが嘘のような平原。今回のミッションはそこに潜伏しているオウガテイル4頭の討伐だ。
『ブリーフィングは必要ねぇ。どうせ、オウガテイルなんぞ倒し慣れてるだろ。とっとと行って倒して来い』
「失礼ですが、引率の方は放棄されるのですか?」
ルイが凛としてそう言った。曹長はルイを睨みつける。
『かしこまった言い方するじゃねぇか。その通りでございます。わかったなら行け』
「わかりました」
ルイはそう言って車から降りて行った。俺も続くように降りて行った。
「さっきの人本当にゴッドイーターか。俺が見てきた人たちと比べると随分と優しくないな」
ルイに話しかけるが無視。いつものことなのだか、辛い。ルームメイトであっても挨拶だけで、コミュニケーションが全く取れない。
「なあ、今は仲間なんだから、少しは俺の話し」
「静かして」
話しを遮るようにルイが言う。そして腰をゆっくりと落とす。見てわかるこれは、近くに敵がいたということだ。俺もそっと腰を落とす。
「前方に複数のオラクル反
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