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IS インフィニット・ストラトス〜普通と平和を目指した果てに…………〜
number-35
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して家族親類がいないってことはあることを示していた。疑いの掛けようのない証拠にもなっていた。
「分かったかな、私はもう絶縁されてるんだよ。両親から、雪子おばさんを通して言われたよ。面倒な手続きは向こうでもうやってたみたいだしね」
「そんな……そんなことって」
「さてと……もうそろそろ戻ってご飯を作らなきゃね」
話を強引に打ち切って束は家へと戻って行く。残ったのは崩れ落ちて泣く箒とそれを支えようとする一夏。それと終始何も言わなかった蓮の三人。
だが、束が去って重苦しい空気の中言葉を発したのは蓮だった。
「IS」
「……え?」
「二人に束の気持ちがわかれなんて言わない。そんなのお互いが傷つくだけだから。でも、
IS
(
インフィニット・ストラトス
)
という言葉の意味とそれに込められた束の想いは察してほしい」
蓮は言いたいことだけを言って去っていった。それでも彼の言葉に後押しされて箒はグシグシと涙を拭うと顔を上げた。その表情は言葉で言い表すのが難しいほど複雑なものだった。
ただこれだけは言える。
もう篠ノ之家が四人揃うのはないのかもしれない。絶対にできないと断言するのは控えるが、可能性が今の段階でひとかけらもないのは確かだ。
◯
「今日はお前ら遊んでもいいぞ」
「え? 掃除は?」
「後は細かいところだけだ。俺一人でも午前中には終わる。ここまででいいよ、助かったありがとう」
そう伝えると数人は待ちきれなかったのか水着を持ってさっさと着替え、走って海に向かっていった。家に残ったのは蓮と束だけ。海に行かなかった人もどこかへ出かけて行ったらしい。
朝使った茶碗を洗い終わり、静かになった家の中を懐かしむように歩き回る蓮。何が楽しいのか、その後ろを嬉しそうについていく束。
一つ一つの部屋に思い出がたくさん詰まっていた。
全てを回ると涙が止まらなくなりそうだった。そんな姿を束の前では見せたくなかった蓮は、途中で切り上げて縁側に腰を下ろした。当然のように束も隣に腰を下ろす。
甘えるように蓮に寄りかかる束を好きなようにさせる。ぐりぐりとマーキングをするように頭を擦りつけたり、誘惑するように豊満な胸を押し付けてみたりとするが、蓮は何の反応も示さなかった。
やがてある程度満足したのか大人しくなる。家の中の扉をすべてあけているため、風の通り道になって暑い日差しが降り注ぐ中穏やかに過ごすことが出来る。そんなまったりとした時間が小さい時から蓮は好きだった。
「束、ちょっと指輪を貸してくれないか?」
「ええ〜……仕方がないなあ」
渋々右手の薬指につけていたシルバーリングを蓮に渡す。一つの曇りもなくほとんど新品同然であるその指
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