「妖精の尻尾」
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こが何ともな‥」
「あい、歯痒いです」
通路に座っているナツとハッピーを飛び越え、コハクはルーシィに駆け寄った。
「私からもありがとうございます!」
ルーシィの両手を握り、コハクは涙でうるうるした目で見つめた。
「い、良いのよ良いのよ‥あんた達の本気が物凄く伝わったから‥」
「あ、そうだ!」
ナツはルーシィへさっき貰った火竜のサインを差し出した。
「これやるよ」
「いらんわ!!」
すぐにバッサリと却下されたが。
夜になり、海が見える場所へ行った四人は満足そうに顔を綻ばせる。
「食った食った」
「あい!」
「ルーシィさんには一生感謝しなくてはなりませんね」
「あ! お船だ!」
海に浮かんでいる船を見つけたミントは目をキラキラさせて指差している。
「そう言えば火竜が船上パーティやるってのあの船かな?」
「豪華な船ですねぇ‥」
「うぷっ‥気持ち悪ィ‥」
「ナツ想像しただけで酔うの止めようよ」
「最近乗り物酔いが悪化している気がするのは私だけでしょうか‥」
背中をトントンとさすりながら溜息を一つ。
「見て! 火竜様の船よ!」
「行きたかったなぁー!」
「火竜?」
「知らないの? 今この街に来てるのよ! あの有名な妖精の尻尾の魔導士なんだって!」
女子達の会話を耳にした四人は"妖精の尻尾"という単語に反応した、
「妖精の尻尾?」
「‥何かあるのでしょうか」
コハクは船をマジマジと見つめ、ナツはまた酔っていた。
船上ではと言うと――。
火竜の口車に乗せられ、船上パーティへ行く事になってしまったドレス姿のルーシィがそこにいた。
「ルーシィちゃんか、良い名前だね」
「どうもぉ〜」
「まずは乾杯といこう」
指を鳴らし、小粒状のお酒が浮き上がった。
その様子にルーシィは引いている。
「さ、口を開けてごらん? ゆっくりと果実の宝石が入ってくるよ」
我慢我慢と自分に言い聞かせ、口を開けようとしたその時、一気にお酒を手で払いのけた。
「どういうつもり? 睡眠の魔法‥スリープよね」
魔法を見破ったルーシィを興味深そうに見つめる火竜。
「ほほう‥良く解ったね」
「勘違いしないでよね。私は妖精の尻尾に入りたいけど、あんたのモノになる気はないのよ」
「しょうがない子だなぁ」
ルーシィの後ろのカーテンが開いたと思うと、そこからは女性を抱えた大柄な男達が出てきた。
「何なのよ‥これ」
「ようこそ我が船へ。ボスコに着くまで大人しくしてもらうよ‥お嬢さん」
「ボスコって‥ちょっと!! 妖精の尻尾は!?」
「諦めなァ。あんたも今から俺達の商品だ」
「そんな‥それじゃこの子達も‥
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