第一部 少年たち
第二章
期待の新人たち
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の人には敵わないと心底思った。ここアナグラではこの人はまるで俺のお姉ちゃん的存在だ。弟は反抗せずに大人しくイメトレでもしますか。
リッカさんの手をどける。
「まるで扱いが弟なんですけど」
リッカさんは笑ってごまかして再び作業の方に戻った。俺も静かに自室に戻った。
それにしてもあいつらがライバルか。向こうは絶対そんなこと思ってないよな。
◎
フェンリル極東支部、支部長室。
「コウタ君、エリナ君。今日はご苦労様。どうだったかい、今年の期待の新人たちは?」
「博士、少し人数が多すぎませんか。こっちの身にもなってくれよ」
「ごめん、ごめん。これでも調整したつもりだったんだけどね。いやみな優秀で」
「ま、無事に死者を出さずに終わったんでなんでもいいですけど。正直いって驚かされました。俺が担当したのは7人だったんですけど、みんな臆することなくやってくれました。自信家も多くいました」
「そうかい、実に素晴らしいことだね。これでこの支部も安泰だね。エリナ君の方はどうだったかい?」
「私が担当したのは3人で後二人は、即実践に行けるクラスの神機使いだと思います。一人は坂之上ユウト。彼の射撃は適格でスナイパーとしての素質はかなりのものかと思います。それにブーストハンマーの使い方もエミールに劣らずという感じでした」
「ふむふむ、なるほど。もう一人はルイ君であっているかね?」
「はい、そうです。彼女は、私と同じチャージスピアですよね。戦闘中も私と同じ動きをとれていました。統率力も噂通りの実力かと思います。……少し悔しいです」
エリナはそう言って拳をぎゅっと握りしめる。
「そうかい、ありがとう。でも何も悔しがることはない、君も若干14歳でヴァジュラを討伐できるクラスの大物だからね。胸を張りたまえ」
コウタさんもエリナさんのほうを笑顔で見る。
「それにしても博士、本当にあいつらって新米兵ですか? 歳はバラバラで年上とかもいましたけど、ヴァジュラ一頭の討伐なら時期に出来るレベルでしたよ。なんか、ソーマとかユウ見ているみたいで嫌でした」
博士が苦笑する。
「彼らだけでも、ヴァジュラ討伐が可能とはこれまた興味深い」
「博士、またよからぬこと考えているんじゃ」
コウタさんが少し呆れた表情で博士をみる。博士は笑顔を崩さない。
部屋の鐘の音が鳴る。
「おっと、もうこんな時間か。今日は二人ともご苦労さま。もう下がってくれて構わないよ」
「最後に博士、質問をしてもよろしいですか?」
「なんだい、エレナ君」
「一人、こっち側の新米兵の神機が訓練用とは違う神機でしたがあれは?」
博士が眼鏡のフレームに手を当てかけ直す。
「そのことに興味があるのかい
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