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赤い帽子
5部分:第五章
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キャップの斧を見た。見れば刃のところが赤く染まっている。その赤が何であるのかはもう言うまでもなかった。
「長い間多くの人を殺してきました」
 男はまたレッドキャップについて語る。
「それもかなり」
「千年の間だな」
「そうです。それは妖精だからできたのです」
 また署長に対して述べる。
「それだけの長い間人を殺してきたのは。だからなのです」
「そうだったのか。それでか」
「人を殺すのは何も人だけとは限りません」
 そしてここまで話したうえでこう述べた。
「他の存在もまたその中に入ります。こうした妖精でさえも」
「わかった。今それがようやくわかった」
 署長は忌々しげでかつ恐れる顔で言葉を返した。
「だからか。今まで犯人が碌にわからなかったのは」
「その通りです。人が相手ならば見つけるのは容易です」
 実際にはそうとは限らないが少なくとも人ならざるものに比べればましである。彼はそれを踏まえて今署長に対して話をしていた。
「ですがそれでも見つける方法がないわけではなく」
「それで君は独自で捜査を進めていたのか」
「その通りです。上手くいって何よりです」
「それでだ」
 署長はここで別の質問を彼にしてきた。
「何でしょうか」
「君が用意していた切り札だが」
「あの拳銃ですか」
「そうだ。あれは一体何だったのだ?」
 次に問うたのはそこであった。
「妖精を一撃で倒したが。あの拳銃は一体」
「まず拳銃に聖書の言葉を刻みました」
 彼はそれを受けて説明をはじめた。

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