圏内事件 ー聴取ー
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体が揺らぐ。そして、後方にはなだらかな斜面が広がっており……
「ウァァァァァァァァァァ?!」
シィに胴にしがみつかれたまま、斜面を転げて行った。
「……ひどい目にあった」
「いや〜、まさか坂を転げる羽目になるとは」
テヘッと舌を出しながら、シィはおどけてみせる。反省する気はないらしい。
「てか、いい加減離れろよ」
「え〜、ヤダ〜」
左腕に巻きついてくるシィを引き剥がそうとするがなかなか取れない。再び坂道を上がっているとニヤニヤ笑いを浮かべたキリトと目が合った。
「よぉ、ユーリ君。 大変だったな」
「…………」
「もー、拗ねないの」
「いや、シィちゃんが原因なんだけどね? けど、なんでシィちゃんがDDAの本部から出てきたの?」
アスナがツッコミを入れつつ、おそらく三人ともが一番聞きたいであろう事を口にする。
「んー、言ってなかったっけ?私ってば、《裁縫》スキルコンプしてて、よく布系の装備品のメンテとか、アクセ作ってーとかって頼まれるんだよね。で、今回は頼まれた品の納品だね」
「「へぇーー」」
関心したように二人が声を揃える。 特に金属系の装備を一切装備していないキリトは興味ありといった感じでシィの話を聞いていた。もっとも、装備に関しては自分も言えた義理ではないのだが……
一通りこちらの疑問に答えると、同じような質問が返ってきた。それに対して、副団長様が簡潔に即答する。
「で、アスナ達はなんで此処に? PKの調査してるんじゃなかったっけ?」
「そうね。その調査の一環として、シュミットさんに話を聞きに行こうとしてたところなのよ」
「けど、時間が時間だからなぁ。シュミットの奴も狩りに出かけてるんじゃないか?」
「って事だけど、シュミット居たか?」
キリトの言葉を引き継ぎ、いまだ腕にトリモチのようにひっつく相方に訊ねてみる。
一応納得した表情を見せたシィは何かを思い当たる節があるようで「あぁ……そういえば」などと呟き、ポンッと手のひらを打ってみせた。
「そーいえば、ギルメンの誰かが『シュミットさん、珍しくサボったらしいっすよ』って話してたような……してないような??」
「いや、そこは断言しろよ」
コテリと首を傾げるシィにとりあえず、ツッコミを入れておく。
「ごみん……」とはにかみながら、右手を振り、窓を呼び出す。そして、幾つかの操作をし、キーボードを出現させ、素早く文章を打ち込むとそのまま送信ボタンを押した。
今の流れでいくとメール相手はシュミットだろうが……あいつとフレンド登録などしていただろうか。
「シィって、シュミットの奴とフレ登録してあったのか?」
「んー、まぁね。一応、D
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