圏内事件 ー聴取ー
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人混みはあまり好きではなく、タダでさえ人より目立つ容姿をしているためにパーティーは祝電と祝いの品をキリトに託し、欠席。故にこうして、DDAの本部を初めて目にしたことになる。
そして、やはり思うのは値段だろう。 二十二層のコラルの村にある我が家も0がたくさん並んでいたが、それよりもスケールが何倍もデカイあのお城はお幾らするのだろうか。
なんて事を考えながら、塔の頂点で銀の地に青いドラゴンが染め抜かれたギルドフラッグが風にたなびく様子を眺めているとそれを不思議に思ったのか、横からアスナが訪ねてくる。
「どうしたの。 そんなにDDAのホームが珍しい?」
「いや、別に。 ただ、凄い高かったんだろうな〜と。あと、部屋とか凄そうだよなぁ」
「ふーん。まぁ、ウチも負けてないけどね。 どう?多分ユーリ君がその気になってくれれば、部屋とか選び放題だよ?」
「……遠慮します」
遠回しな勧誘を丁重に断りを入れつつ、この副団長もやはりヒースクリフの部下だなと思ってしまう。
もっともいくら好待遇だろうと、どこのギルドに属す気もないし、マイホームを手放すつもりもない。 勿論、シィとペア解散なんてあり得ない。
二人と雑談を交えつつ、赤レンガに舗装された坂を登ること数分、ようやく城門が見えてくる。 だが、そこから姿を現した人物に揃って声を上げる。
門の左右に並び立つ番兵と挨拶を交わしつつ、出てきたのは紅い髪をポニーテールに結び、赤で統一されたコーディネートを着こなしたプレイヤー。 そして、紅い少女もこちらへと気がついたようで手を大きく振りながら駆けてくる。
衣装どころか、髪の毛までも赤で纏めそれを着こなし、更に自分達と顔馴染みのプレイヤーなぞ、まず一人しか心辺りしかない。
「なぁ……」
「ねぇ……」
左右に立つ二人もこちらへと小走りで駆けてくるプレイヤーに大方検討がついたのか、こちらへと視線を向けてくる。
「なんでシィがDDAの本部から出てきたかは、知らんからな」
「「……なんだ」」
二人の質問に答えている間、紅いプレイヤー……もとい相方、シィはだんだんと加速し始める。そして、およそ10メートルくらいまでにその距離を縮めるとダンッと音を鳴らし、大ジャンプ。こちらへと向かって弾丸の如く飛び込んでくる。
「「げっ……」」
「ちょっ……!」
いち早く反応した二人はそれぞれ両サイドに飛び退る。だが、自分だけは回避が遅れてしまい……
「ユゥゥゥゥリィィィィ!」
「フグウッ!?」
満面の笑みのシィのタックルをモロに喰らい、苦悶の声を漏らす。
スピード型の自分のステータスでは、目一杯まで加速されたアバターを受け止めきれず、上
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