ゆとり世代は難しい
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とあるオフィス。
「君は男同士がイチャイチャするのをどう思うかね?」
「部長、それは同性愛ということですか? そんなことはどうでもいいので、早くこの決裁書面にハンコをください。」
「いや。君が答えるまではハンコは捺さんぞ!」
「どういう意地の張り方なんですか? 何ハラスメント?」
「どう、思うかね?」
「何ですか、その間は? しかし、どうって言われても・・・。あんまりこれまでの人生で考えたことがなかったですね。」
「君は確か、文学が好きだったな?」
「本を読むのは好きですが、それが関係ありますか?」
「いろいろあるだろ、ほら、文学作品には。」
「三島作品とかですか?」
「そうそう。そういう感じ。さすがだね!」
「急にテンションを上げないでください・・・。」
「読んだことあるだろ?」
「ありますけど。」
「どう感じた?」
「僕には無理かな、と。」
「・・・。」
「どうしたんですか? 部長。 そんな倒れそうなくらい、萎れないでください。」
「・・・。」
「部長、ひょっとしてそっち系ですか?」
「前々から君はそっちとかあっちとかの表現が多いが、それは直したほうがいい。他人から誤解されやすいぞ。」
「はぁ。それは今後、注意しますので。」
「最近の若い者は、とか言いたくないのだが、ついつい言ってしまうし、変な話題でしか君に話しかけられない自分がたまに悲しくなる。もっとポップな感じにいきたいのだがね。」
「すみません。気をつかっていただきまして。」
「いや。いいんだ。それで君は男同士がイチャイチャするのをどう思うかね?」
「会話がループしてる、無間地獄だ・・・。」
「わかった。では好きか嫌いかでいうと、どっちだ?」
「では・・・、嫌いのほうでお願いします。」
「かなり悩んでいたが、君の中でその好きと嫌いのパーセンテージはどのくらいだ?」
「好きと嫌いで4:6って感じですかね。」
「割と僅差。脈はないというわけではないな。」
「いや。ないです。それはないですって。」
「それはわからんぞ。時に君は食べ物の好き嫌いは多いかね?」
「子供の頃は結構、偏食気味だったんですが、最近はあまりなくなりましたね、好き嫌いが。」
「だろ?」
「どういうことですか?」
「だからあれだよ、時間が解決してくれるんだよ。最初は嫌いなのかもしれんが。」
「何の話で、何の結論なんですか?」
「よし、ではまずこの本を読んで感想を聞かせてくれ。」
「これは・・・、何の本なんですか?」
「それはこの場では言えん。」
「絶対にそっち系の本ですよね?」
「だからそっちって言うな! じゃあいい。この場で本のタイトルを読み上げる!」
「僕は別に困らないですけど・・・。むしろ部長が困りません?」
「では・・・、その本を読
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