二十一話:愛ゆえに
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てて帰りの遅い兄にご立腹な様子を見せるジェイルの妹のクイント。
常識外れの行動をとる兄のストッパーとしてご近所でも有名な美少女である。
「クイント、今いいところなんだから邪魔するなよ」
「切嗣も滑り台から飛び降りたりしたらダメよ。矩賢おじさんに言いつけるわよ」
「え! 父さんには言わないでくれよ」
それを聞いて切嗣も戦闘態勢を解く。流石の正義の味方も親には敵わない。
まあ、親に対して後ろから銃を乱射したりスティンガーをすれば別だが。
そして、いつの年代も男の子よりも女の子の方がしたたかなのである。
「ほら、兄さん早く帰るわよ。私おなかペコペコなんだから」
「ああ、それは大変だ。では、そういうわけなので私は帰らせてもらうよ」
「今度は決着をつけるからな、ジェイル!」
「くくく! いつでもかかってきたまえ。悪は常に正義の前に立ちはだかるものだからね」
夕暮れの公園を背にして三人の子供が家路に着いていく。
これは後の正義の味方と、悪の科学者の若かりし頃の記憶である。
「まさかこの年になってもあの頃と変わらないなんてね……若いというかなんというか」
「なんか言った、おとん?」
「いや、ちょっと昔のことを思い出しただけだよはやて」
そう言って切嗣は腐れ縁の友と写ったアルバムを閉じて店番に戻っていくのだった。
〜おわり〜
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