二十一話:愛ゆえに
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悪の前に立つのはやはり正義の味方でなくては!」
海鳴市にある至って普通の公園。
その公園で正義と悪が今まさに雌雄を決しようとしていた。
みんなの物である滑り台を占拠し、その頂上で高らかに笑うドクターJ。
そして、そんな彼を止めるべく立ち上がった正義の味方、バーガーキング。
決して相容れぬ存在である二人。彼らに話し合いなど無粋。
両者共に図ったように同時動き出す。
「私の先兵がお相手をしよう。行け、ガジェットドローン!」
ドクターJが自作のラジコン兵器ガジェットドローンを繰り出す。
対するバーガーキングには武器はない。しかし、彼の肉体こそが武器であった。
「そんな遅いのが当たるか! タイムアルター・ダブルアクセル!」
高速移動を開始し、襲い掛かるガジェットドローンを開始する。
なお、二倍速などと言っているがぶっちゃけるとただの全力疾走である。
見事にかわし続けるバーガーキングであるがこれでは埒が明かない。
攻めなければ勝利は訪れない。そう判断した彼は滑り台の滑る部分から駆け上がる。
やってはいけないと言われる行動だが正義のためには必要な犠牲だ。
「覚悟しろ、ドクターJ!」
「くくく、まさか私がこのままやられるとでも? 行け、ガジェットドローンU!」
「な! 二台目!?」
一瞬追い詰められたかと思われたドクターJであるが隠し持っていた二台目のガジェットドローンをもってバーガーキングを迎撃する。
このままでは直撃は免れない。狭い滑り台の上ではほんの少しの隙が命取りだ。
バーガーキングは一瞬で思考を戦闘から逃走に切り替える。
「タイムアルター・トリプルアクセル!」
「なに? 自分から飛び降りたとでもいうのかい!?」
咄嗟に滑り台から飛び降り、自ら足場を放棄して体制の立て直しを図るバーガーキング。
その際に三回転半を行っていたのは彼の美意識の表れだろう。
ちょっぴり着地した衝撃で足がしびれるが正義の味方はへこたれない。
すぐに顔を上げてドクターJを睨み付ける。
「ふふふふ、流石は我が好敵手だよ、バーガーキング」
「そっちも中々やるな、ドクターJ」
お互いがお互いの健闘を称え賛辞を送りあう。
だが、所詮、彼らは水と油。反発しあう二つの存在なのだ。
分かり合うことはできない。故に哀しみを背負いその魂をぶつけ合う。
両者の視線が交差し、同時に再選の火蓋が切られる。
その瞬間だった。第三勢力、絶対強者が現れたのは。
「兄さーん! 晩御飯だから早く帰ってきて! 後、迷惑だからそこ降りなさい!」
「ク、クイント!? 一体いつの間に?」
「いつの間にも何も、兄さん達が遊んでる間に来たのよ」
腰に手を当
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