第四十四話 上村大尉!演歌の花道!!その十一
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「それもムキになって」
「この連中が言って来るからだよ」
「馬鹿だのアホだとかな」
「だから言い返してやったんだよ」
「いつも通りな」
「大将こんにちは!」
「今日も頑張って下さいね」
子供達は瞬と上村には笑顔で声を送った。
「こんな連中やっつけちゃって下さい」
「悪い奴を倒して下さい」
「つまり俺達が悪い奴かよ」
「そうなるのかよ」
二人も子供達が言いたいことがすぐにわかった。
「嫌な話だな」
「悪党だからやっつけらろてか」
「そうみたいね、まあいつものやり取りはいいとして」
瞬は子供達の声援に手で挨拶を返しながら二人に言った。
「はじめるわよ」
「よし、じゃあ津軽海峡冬景色歌うか」
「俺は炎歌うぜ」
「俺達は演歌も上手だぜ」
「カラオケなら何でもいけるからな」
二人はマイクを手にして用意をする、そしてだった。
歌う構えに入るがだ、子供達がまた言った。
「小指立てるなよ」
「マイク持ってる時にそれはないだろ」
「そんな構え止めろ」
「嫌がらせかよ」
「そうだよ、嫌がらせだよ」
「見てわかるだろ」
あからさまな悪意でやっているのだった、二人も。
「こうして相手に嫌がらせもしつつ歌う」
「これが俺達なんだよ」
「わかったらさっさと吉木りささんの写真集とDVD観させろ」
「今回のグラビアアイドルはこの人だぜ」
とにかくエロい人である。
「ボーナスでも買うけれどな」
「何時でも持って来ていいぜ」
「じゃあ今から歌うぜ」
「小指立てながらな」
「マイクは普通に持つものだ」
上村はその二人に憮然とした顔で述べた。
「小指なぞ立てずにな」
「だから相手への嫌がらせだよ」
「あえてやってるんだよ」
「視覚からもダメージを与える」
「心理的な戦術だよ」
「まことに腐った連中だ」
冷静に返す上村だった。
「子供達が批判するのも道理だ。罵倒はよくないが」
「へっ、幾ら嫌がらせしても勝てばいいんだよ」
「それでオールオッケーなんだよ」
「だからこうしてるんだよ、俺達もな」
「勝つ為に手段選んでないだけなんだよ」
嫌がらせもするというのだ。
「こうしてな」
「しかし効かないならしないぜ」
「ガキ共に嫌がらせはしてもな」
「こうしてな」
その小指を立てた持ち方をだ、子供達にも見せる。
「ほら、どうだ」
「すげえむかつくだろ」
「止めて欲しいだろ」
「キモいだろ」
「止めろ、馬鹿!」
「嫌なもの見せるな!」
これが子供達の返事だった。
「そんなの見る位なら風呂屋のおっさん共の股見た方がましだ!」
「前からも後ろからもな!」
「地獄に落ちろ!」
「ゾンビになれ!」
「うっせえ、じゃあ思う存分見ろ!」
「嫌でも見やがれ!」
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