暁 〜小説投稿サイト〜
シークレットゲーム 〜Not Realistic〜
温もり
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らかい甲斐がある様なコだと言うのは知ってるが、今はそれどころじゃないからだ。
「あははっ! ごめんごめん! っとと、日影さんだけ、って事はアイツもちゃんと帰ってきたのね?」
「あ、は、はい。少し前に。ってそれより、修ちゃん! どういう事なのっ!?」
「はぁ……、だから、琴美が思っている様な事は何も無いよ。俺たちは武器を取りにいってたんだ」
「え、武器……?」
「ああ、ほら見てくれ」
修平は琴美の誤解を解く為に、手にした日本刀を見せた。
途端に琴美の顔が薄闇の中でも解るくらい緊張していた。
「……!!」
「琴美、そんなに心配しなくても大丈夫よ。修平は誰かと戦う為にじゃなく、琴美を守る為にそれを手に入れたんだから。ね? 修平?」
「まぁな」
「え……そ、そうなんだ?」
「あ〜それに、刀真にばっかり格好つけられたら、立つ瀬が無いってさ? 琴美を守るんだ〜って。いろんな意味で」
「……そ、そこまで言ってないだろう」
「しゅ、修ちゃん……」
悠奈はからかうつもりでそう言っていたのだが、琴美はちょっと本気にしたのか、頬を赤く染めていた。
「あはははっ……とと、流石に今日は疲れたし、私は先に寝ようかな?」
悠奈はそう言って、さっそく小屋へと入っていこうとする。と、その小屋の入り口の前で振り返った。
「ねぇ、修平。例のメールで24時間って決まりだったけど、私は暫くアンタと一緒にいるわ」
「何?」
「……だって、アンタを放っといたら、何か悪い方向へ行きそうだし。……アイツがしてくれた様に私がアンタを止めないと。それに、アンタは昔の私に少し似てるきがしてね……。なんか、放っとけないんだ」
そう言い残し、悠奈が小屋の中へと消えていった。
修平は彼女の後姿を何もいえぬまま、見送っていた。琴美も、悠奈が修平を見る目は、心配していたそれとはまた種類が違う事を悟っていた。
「……修ちゃん。悠奈さん何かあったんだよね。きっと……」
「何でそう思うんだ?」
「だって、時々だけど……、とても悲しそうな表情をするから」
「……そうだな」
琴美の言葉は、恐らくは的を得ているだろう。
それが、どんな過去なのかはわからない。悠奈にしかわからないんだ。それに、そんな事を聞けるわけも無い。
「でも、悠奈さんには日影さんが着いてくれてるから大丈夫って思う。……日影さんが支えてくれるって思うんだ」
「刀真が、か……。ああ、そうだと良いな」
修平も頷いた。
刀真と悠奈。
恐らくはここで会ったのだろう。だが……、このメンバーの中で一番信頼しあっている2人だと思える。その信頼と言うのも、まだ薄く、儚いものかもしれないが、それでも会った期間を考えたら、随一の絆だと解る。
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