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温もり
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えるけど、アイツの言葉のひとつひとつがとても重いんだ。……こんなに言葉が重いって思ったのは始めてなんだよオレは」

 修平の素直な、計算の無い言葉であった。
 これまでは、ずっと信用しきるのはやめていた。助けてくれたとしても……、最後の一線にはブレーキを踏み込んでいた。それは、決して表に出さないようにしていたが、あの刀真はそれすら見越しているかのように、笑っていた。そして、構わないといっているようだった。

「さぁ……私にも解らないわよ。ただ……ここにいる誰よりも、何かを背負っている。そんな気がするだけ。……でも、私は刀真と考えが違う部分がある」

 この時の悠奈は視線を鋭くさせていた。
 これまで、刀真の言葉は信頼できるものだと自分の中では最大級に信頼していた。だが、あの言葉だけは違った。

「刀真の言うヒーローと私の言うヒーローは違う。……私の中のヒーローって言うのは……」

 悠奈はぎゅと、自分の肩を抱きしめる。そして、ポケットに入っているある物を握り締めていた。

「悠奈?」
「ゴメンね。忘れて。……さぁ、もう戻りましょ」

 修平は、悠奈がさびしそうな微笑を見せていた事の意味が気になっていたが、それ以上追求する事が出来なかった。……それに、しようとも思えなかった。



――……5分後。



 小屋に戻ると、刀真が戻ってきたのに、修平達が戻ってこないから心配して琴美が1人入り口で立っていた。刀真から、直ぐに戻ってくると言われていたが……心配だった様だ。
だって、≪2人きり≫なのだから。

 そして、その2人は帰ってきた。

「……修ちゃん、悠奈さんと2人で何処に言ってたの?……悠奈さんは日影さんといた筈なのに」
「ああ、ちょっとな」
「『ちょっと』って? 私にもわかる様に言ってよね? 日影さんより、遅くなった理由も知りたい」

 琴美の声がいつもと違う……。
 何処か、怒気を含んでいた。勿論修平もそれに気がついていた。

「……え? 待ってくれ琴美、何をそんなに怒ってるんだ?」
「私は別に怒ってません!」

 客観的に見ても……、明らかに怒っている。そして、良く解る。嫉妬していると言う事を。

「あちゃー、なんか誤解させちゃったみたいねぇ?」
「ごっ、誤解ってなんの事ですか!? わ、私は別に修ちゃんと悠奈さんが変なことしてないかなんて、全然疑ってませんからねっ!!」
「へぇ〜……べーつに、あながち間違いじゃなかったりして……、ねぇ? 修平?」
「えええっ!? やっぱり、2人で何かしてたんだ!? それで、日影さんだけ、追い返しちゃったんだ!?」
「……悠奈、琴美をからかうのは止めてくれ」

 修平は悠奈に苦言を言っていた。
 琴美は天然が入っており、か
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