暁 〜小説投稿サイト〜
シークレットゲーム 〜Not Realistic〜
温もり
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、非現実だろうとそれは同じ事だ。否定するつもりは無い。寧ろ持ち続けろ」
「っと、私の悪い癖だわ。……言い過ぎたみたい、ごめん。誰かを守りたいと思う想いも……大切なものだもんね。守ろうと言う想いが無ければ、武器はただの人を傷つける道具。その意志が、想いがあるからこそ、≪守る為の力≫になるんだから」
「っ……」

 否定されたと思った矢先……、刀真にその否定されたと思った事を否定され、そして悠奈は不意にしおらしくなってしまった。その為、睨んでいた修平は我に返っていた。

「……すまない。こっちもムキになり過ぎたようだ」
「いや……、それだけ引けない想いがあったんだろう。……それは当然だ。寧ろ凄いとさえ思えるぞ。この世界で……、いや こんな異常な世界に放り込まれても尚、自分より大切なものを見出せる修平は」
「……オレはそんなに深く考えてない。ただ、琴美は特別なんだ。それだけで」
「ふふ……。私も持論を振りかざしちゃったしね」
「まぁ……悠奈は基本的にそうだよな」
「ゔ……返す言葉もないわ」

 熱くなりすぎて回りが見えてない。
 修平や他のメンバーから見れば、悠奈は優秀だが、何故か 刀真の前ではその影が薄れてしまっている。

 良く言えば自分の素を出せているのだろうか。

 それは、悪い事ではないって思える。そして、もう1つ聞きたいことがあった。

「でも……なぁ刀真、悠奈。お前は自分の事をヒーローだって思っているのか?」
「……」
「……まさか、私の方はただ真似をしてるだけ、昔いたヒーローの真似をね。……後を追いかけてるだけだもの」
「……?」
「それに、刀真もヒーローじゃないよ。……私のナイト様よ」
「………」

 刀真は何も答えなかった。

 自分がヒーローか、と問われて直ぐに答えることなんか出来ない。いや…、首を縦に振ることはありえない。

「ヒーロー、か。……英雄と言うのそんな簡単じゃない。味方からすればそうでも、相手側からすれば、悪魔。……いつの時代も紙一重の存在。勝てば官軍の世の中。……それが俺の中のヒーローと言うものだ」

 そう答えて後ろを向いた。

「それより今日はもう遅い。修平用の銃を探すにしても明日の方が良いだろう。……それに、素人にはリーチの長すぎる日本刀よりは銃のほうが良いのは確かだからな」

 刀真は足早に立ち去る。

「ちょっと……」
「先に、行ってる……。お前達も明日に備えて眠っておけよ」

 悠奈の言葉に振り返らずにそのまま闇に姿を消した。

「……なぁ 悠奈」

 修平は、刀真がいなくなった後悠奈に話しかけていた。

「アイツは……一体何者なんだろうな」
「何って……?」
「普通に見ればこの状況で一番順応している異常者だとも思
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