暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
StrikerS編
108話:約束と理想
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「譲れないものを譲らず、貫き……守りたいものを、守れる自分…」
『うん、うん』


 それが君が望む自分、ならそれに近づけたらこうするといいよ。
 そう言って、彼は親指を立てて突き出した。所謂グーサインである。


『納得できる行動をした者だけに与えられるポーズ、俺の尊敬する先生に教えてもらったんだ』


 君もやってみるといいよ。
 そう言われ、握っていた右手の拳を見る。拳は人を殴り、傷つけるもの。だけど親指一本を立てるだけで、誰かを称える仕草に変わる。

 なんとも、不思議な感じがした。


「―――!」


 ふと視線を戻すと、そこに彼はいなかった。ただ宙に浮かぶ光があるだけ。その光は腰に巻かれたバックルへと、そして赤き宝石へと吸い込まれていった。
 ただ黒く暗い空間に、一粒の光が灯る。それはまるで星のようで、この宇宙で一番最初に輝いた、始まり≠フ星。その星の周りに小さく輝く星々が見え始めた。

 ―――俺の守りたいものは変わらない、必ず守り抜いてみせる。

 新たな決意が固まると同時に……
 バックルの白い部分に、一つの炎≠ェ灯った。





 
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